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第一訓03



「何やってんだ新八!!オラッお客さんにさっさと謝んだよ」



少年は『新八』というらしい。

店長が新八君の髪の毛を乱暴に掴んで床に押し付けようとしたとき、


「おい」


「ふざけんなよ…!!」


ガツン!!!


私と銀パ(銀髪パーマネントの略)が同時に立ち上がり、店長を殴り飛ばした。

店長は天人達の座っていた机にガシャンと派手な音をたてて突っ込む。


「なんだ貴様等ァ!廃刀令の御時世に木刀なんぞぶらさげおって!!」



「ギャーギャーギャーギャー、やかましいんだよ発情期ですかコノヤロー」



銀パは至極真面目そうな声色で話す(しかし目は依然として死んだ魚の様だ)



「見ろコレ…てめーらが騒ぐもんだから、」


銀パは私の服と、チョコレートパフェの残骸をちらりと見て、続けた


「―全部台無しになったじゃじゃねーか!!」


銀パの怒号を皮切りに、彼は差していた木刀を天人共に勢いよく振りかざす


彼が暴れている間に名前は素早く新八君を立たせ、他のお客を避難させていた。


『とりあえずクリーニング代は絶対払ってもらわないと』


名前の働きのお陰で幸いお客さんに怪我人は出なかった様子に、新八君は驚いたような視線を向ける。


『凄い…あの人、こうなることがまるで初めから知ってたみたいに手際が良かった!』



新八君に感動されているとは露知らず、名前はこの店からどうやってクリーニング代をせしめる方法と、どうやって逃げ出すのか脳内会議を絶賛開催中であった。


『さて、どうやって払ってもらうかな…騒ぎに乗じてレジからってのは犯罪か。じゃあ次きたときに難癖付けてただにしてもらお、よし決めた。それからこのままここにいると確実に捕まるよコレ。勢いで店長殴っちゃったけどさぁ、しょっぴかれるのは嫌だなあ…銀パが最後の一発決めたら騒ぎに乗じて窓からお暇しよう』


一人脳内会議を済ませた名前は、さりげなく近くの窓枠に手をかけた。


「あ、待ってください僕も行きます!」








「店長に言っとけ、味は良かったぜ…ってあれ?
誰も居ねーじゃねぇかァァァ!!俺あんなに格好良く決めたのに!」








―――――――――
――――――
ーーー


外はかなり沢山の野次馬ができていたけど、なんとか逃げ出せそうだ
そう思っていると新八君に呼び止められた。



「あの、さっきはありがとうございました!
その、お礼かしたいので、もしよければあなたの名前を教えていただけませんか?」


「え?名前!?あー…ほらアレだよ田中じゃね?いや多分田中ダヨ」


「いや何で僕に聴くんですか、あんたの名前だろうがァ!それに最後片言なんですけど、どんだけ自信ないんだよおいィィ!」


「流石新一君、息継ぎなしで突っ込むとは…さては君、地味神の生まれ変わりか!」


「何ですか地味神って!そんな神いねーよ!?つうか地味キャラなめんじゃねーぞコノヤロー!!」


「ハイハイスゴイスゴイ、ジミキャラハスゴイネ」


「何かムカつくんですけど、なんですかその大人の対応は」


「おっと無駄話はここまで、そんじゃね!」


「無駄話ってどういう意味だゴルァ…って、人の話を聞けェェ!!」


パトカーのサイレンが聞こえてきたのでひとまず此処から退散することにした。
背後で"僕は新一じゃなくて新八です!!"と言っていたけど知らんぷり知らん振り

それにまだ父様に会ってないのに、容易に名前を言うのは少し気が引けた(父様に関わって、誰かに名前教えたらろくなことになりかねない事もあるからね)




それに、新八君の腰には…







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―――――
ーーー


「あれ?何だろうこの木刀、あ…れ?血がついてる」





「あれェェエエエ!?」






(そうして新八君は加害者の仲間入りを果たすのでした)

(待てェェ!!銀髪コノヤロォォォ!!!)

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あきゅろす。
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