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第二訓03



「ペスぅぅぅ!?ウソぉぉぉ!!」



「だから言ったじゃん!!
 だから言ったじゃん!!」


こいつを初めてみた新八君はこれでもかといわんばかりに目を見開いて奴を凝視していた


間近で見ると、一段とキモく大きく見える気がする



「こんなんどーやって捕まえろってんスか!!
っていうかどーやって飼ってたわけ!?」



「ペスはの〜秘境の星で発見した未確認生物でな、余になついていしまったゆえ船で牽引してつれ帰ったの
じゃふァ!!!!」


「全然なついてないじゃないスか!!」


ペスは悠長に喋る皇子を容赦無く殴り、地面に叩きつけた

軽く10Mほど吹っ飛ばされた様だ。家族なのに、





「ヤバイ、市街地に出る!!」


皇子が吹っ飛ばされている間に、ペスが向かおうとしていた先はなんと市街地。
あんなものがまた放たれたら、今度こそ江戸は壊滅してしまうじゃないか!!



「まずい何とかして食い止めない、と…!!

…パーマネント?」



ペスの目の前に堂々と立ちはだかったパーマネント

その眼にはなんの迷いもなく、死んだ魚の様な眼は既に消え失せていた













「新八醤油買ってこい、今日の晩ごはんはタコの刺身だ

こんな量だ、テメーも処理すんの手伝えやクソガキ」





木刀を構える

力強く、真っ直ぐに、前を見て



「いや、たこ焼きのがいいか…
 
いただきまーす!!」


「させるかァァ!!」
 
 
ゴン!!
 
 
 
 
「えええええ!!普通そこでこかす!?」


パーマネントが無駄に格好よく決めていざ走り出したと思った矢先、長谷川さんが足を突き出したらしく

その拍子に銀髪は思い切り地面に頭をぶつけ、うわぁ…と耳を塞ぎたくなるような鈍い音が響き渡った




「いだだだだ!!何しやがんだ!!脳みそ出てない?これ」


「手ェ出しちゃダメだ、無傷で捕まえろって皇子に言われてんだ!!無傷で何とかしてもらおうとアンタ等をよんだの!」



そうこうしているうちに、気のせいかもしれないけれどはますます凶暴化している風に見える

現に今でも新八君を捕まえて食べようと…


あれ、食べる…?


















「しっ新八君!?」


「うわァァァァ!!!!」


「ちっ…!」




















がチャリ

無機質な、されど威圧的な音

長谷川さんがパーマネントの頭に拳銃を突きつけた



「勝手なマネするなって言ってるでしょ

無傷で捕獲なんざ不可能なのは百も承知だよ、多少の犠牲が出なきゃバカ皇子はわかんないんだって」


「…アレの処分許可得るためにウチの助手餌にするってか、やっぱり幕府《てめーら》ホントに腐っちまってるみてーだな」


「言ったろ俺達は奴等と共生していくしかないんだってば、腐ってよーが俺は俺のやり方で国を護らせてもらう

それが俺なりの武士道だ」















腐ってようが、か…
幕府も困ったもんだね

犠牲がなきゃ変われない社会なんて、無くなってしまえばいいのに

…なんて幕府の役人に雇われてる私の言える立場じゃないんだけど




















(ていうか“ぶしどー”ってなんだろ)

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あきゅろす。
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