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それもそうか、と納得した空は不機嫌そうに眉をしかめる遊二に視線を送った。


「何見てやがる平凡顔」

視線に気付いた遊二が空を睨む。

「遊二、今日暇なんだろ?」

「あ?決めつけんじゃねぇよ、俺は忙しい」

「停学中のくせにか?」

相手が空でなければ今頃ボコボコに殴られていたことだろう。
そのくらい遊二は狂暴で、尚且つ短気であった。

けれどなぜ空にはそう出来ないのか、遊二自身も不思議に感じていたのだった。

「うっぜぇ…」

憎々しげに呟いたあと、遊二は顔を背けた。

(無駄に関わるとイラつくだけだ)

「なぁ、遊二。頼みがあんだけどよ…」

シカトをきめこみ始めた遊二に、空は構うことなく続ける。

「俺と…付き合ってくれないか?」

「………は?」

遊二のシカト作戦はたったの5秒で終わった。

空からの突然の告白に目を見張る遊二。
近くでそれを聞いていた十夜も、あまりの衝撃に飲みかけの牛乳を口の端からダラリと垂らしている。


「返事は?」

「な、テメェいきなり何をっ」

ふいをつかれてしまったためか、妙にドギマギしてしまった遊二は言い返す言葉が定まらない。

それを見兼ねて先に復活した十夜が

「空っち、付き合うってどっちの意味のほう?」

「は?どっちってなんだよ」

「つまり、男女の交際のように“付き合って”なのか一緒にどこかに“付き合って”なのか」

「何バカなこと言ってんだ。後者に決まってんだろ。どう見れば遊二が女に見えんだ、失礼だぞ十夜!」

「はいはい。遊二、ということみたいだけど?」

「……」

よく考えればわかるものを、勝手に勘違いして振り回されてしまった自分の情けなさに、遊二はガックリと項垂れた。



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あきゅろす。
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