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寝ぼけながらもちゃんとサンドイッチを食べている三貴を確認して、空はまだ睡眠中であろう残り二人の兄弟を起こしに向かった。

兄弟たちにちゃんとした生活をさせることも使用人の仕事だ。


ガチャ・・
二階へ上がった空は昨日の晩のうちに把握しておいた十夜の部屋のドアを開けた。
ずぼらな性格なのか、部屋の中は乱雑に散らかり放題。それを見た空は眉をしかめた。

「十夜、起きろ」

ベッドの上で大きな体を丸めて眠る十夜に声をかけてみるが全く反応はない。

「おい、十夜!」

「…んー……」

今度は声を張り上げてみる。
が、十夜は嫌そうに声をだしただけで起きる気配はない。

苛々してきた空はすっと片足を上げると、十夜の腹の上へ振り下ろした。

ドスンッ
「痛っ!」

鳩尾に入れられた踵落としに寝起き早々悶えることになった十夜に、空は冷ややかな笑みを浮かべる。

「…朝っぱらから人に踵落としきめといて何その悪そうな顔」

「フンッ、さっさと起きやがれ」

「……」

空の横柄な態度に十夜は不満そうに口を尖らせると、悪戯を思い付いたかのようにニヤリと口角をあげた。
そして油断しきっている空の腕を掴むと強引に引っ張り寄せた。

「うわっ」

案の定バランスを崩した空は受け身もとれずに十夜の上へと倒れこむ。
予想してたように空の体を抱き込んだ十夜は「大丈夫?」などとわざとらしく問い掛けた。

「大丈夫なわけあるか。何すんだアホ」

言いながら十夜の胸でもがく空だが、背中に回されガッチリとホールドされている腕は緩まない。

「フフッ、仕返し〜。ねぇ、空っちなんかこの体勢、俺変な気分になってきちゃったんだけど〜」

「は?」




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