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………僕にだけ?


何でもそつなくこなす敦が悩むほどのことで、僕にだけどうにか出来ること……考えても答えなどでるはずがなかった。


「何?僕にできることなら何でも協力するよ!」

「本当に?」

ふと顔を上げた敦は、少しだけ表情を緩ませた。

「うんっもちろんだよ!」

それに安心して笑顔で頷いたのも束の間。



「じゃあさ―――もう俺以外と喋らないで」


「………え?」


言ってる意味が、わからなかった。
思わずポカンと口を開ける僕に構わず、敦は優しげな声色でもう一度告げる。



「光は俺とだけ話せばいい。他の奴と目も合わせないでほしい」


できるよね?と首を傾げまるで子供に言い聞かせるように訊ねてくる敦に、僕は何も応えられなかった。

どうして敦がそんなことを言うのか理解出来なかったし、そんなこと無理に等しかった。



「……どうして」

「嫌だからだよ。光、何でもするって、言ったよね?」

「そ、それはそうだけど……でも…」

「嘘つき」


冷たく言い放たれた言葉に、心臓を抉られたような痛みが走る。
僕はキュッと胸の辺りを掴み零れそうになる涙を耐えた。





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