3 「君はなぜそんなことを聞くんだい?」 伊集院は不思議そうな顔で質問で返してきた。 「だってさ自分で言うのもなんだけど、僕って地味だし。伊集院はほら、クラスのリーダーって感じだし!だ、だからなんでかなーって…」 「そんなもの、簡単さ。君が気に入ったからだよ」 「……き、気に入った?ど、どこが??」 謎は深まる。 今まで何の接点もなかったのだから、気に入られる要素が思い当たるはずもない。 僕の質問に伊集院は暫く首を捻り考えた末、人差し指を立てニッコリと微笑んだ。 「強いてあげるなら、可愛いところだろうか」 「か、かわっ!?」 可愛いだって!? ますます意味がわからない!! こんな平凡な僕のどこに可愛さを感じるのか… 伊集院という人間は相当変わり者らしい。 「……伊集院て、目が悪いんじゃないのかな」 「自慢ではないが僕の目は両目とも2.5だよ」 そういう意味じゃなかったんだけどな…。 というか視力良すぎ。 そう、きっかけは何であれ、僕はこの時直感した。 良くも悪くも、明日から新しい日々が始まると―――。 . [*←][→#] [戻る] |