新メンバー
◇
「東雲くん…とんでもないことになったよ…」
伊集院が復活してから初となる未確認物体研究部(長たらしいからもう未確部でいいだろう)のミーティング。
始まるやいなや、思い詰めたように項垂れる伊集院に、僕は訳がわからず首を傾げた。
「どうしたの?」
「実は、この部の顧問をしてもらってる長谷川教諭に言われてしまったのだ」
こんな部でも一応顧問がいたのか、と少し驚いたが今それは兎も角として「何を?」と伊集院に先を促した。
「部員をあと二人揃えないと、廃部にすると…」
ハァ、と最後に大きな溜め息をつき遠い目で窓の外に視線を向ける伊集院。
そんなに悩むことだろうか?
「えっと、じゃあ二人集めて廃部にならないようにしようよ」
伊集院の人脈を使えば二人くらい容易く集められそうな気がする…
特に伊集院ファンの女の子なんかは。
そう思って言ってみれば、伊集院は憤慨したように勢いよく立ち上がった。
「そうではないよ!僕と東雲くんとの二人きりのランデブーが出来なくなってしまうのだよ!?」
「…………」
…前から薄々気付いてはいたけど、どうもこの未確部は伊集院の私利私欲のために作られた気がしていたのだ。
だっておかしいだろう?
部が発足して結構経つのに活動に何の成果もなく、部活動は伊集院の気紛れで開かれ、尚且つ入部希望者0。
おかしすぎる。
入部希望者に関しては最初、変な部活だし生徒の足が遠退くのも無理ないと思っていたが、今日まで伊集院が何かしらの宣伝らしい宣伝をしているところを見たことがない。
今の言葉から推測するに、彼はわざとそうしなかったのだと思われる。
とゆーかランデブーって何だ。
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