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放課後、今日は部活動はあるのかなと思い伊集院に聞こうとしたら、僕よりも先に彼が立ち上がった。
「東雲くん、今日はうちで一緒にディナーはどうかな?」
こういう誘いは初めて声を掛けられた日からしばしばあること。
伊集院んちのご飯は僕んちでは到底食卓に並ばないような高級なものばかりで、とっても美味しい。
けれどナイフやフォークなどがたくさん用意されてて、マナーを知らない僕はいつも緊張してしまうのだ。
それにこう何度もご馳走してもらうのは、何だか図々しい気が…
「今日は何か予定でもあるのかい?」
中々返事を寄越さない僕に、伊集院は怪訝な表情を浮かべた。
「いや、そういうわけじゃないんだけど。ねぇ、今日は僕がご馳走するよ!」
「え…そ、それは!東雲くんのお宅へお邪魔してもいいってことかい?」
「勿論そうだけど…嫌、かな?」
「とんでもない!こんなに嬉しいことはないよっ!」
よかった、と安心したのもつかの間。
「あ〜!東雲くんのご両親にお会いするならこんな格好では失礼だ!今すぐに爺に正装の用意を持ってこさせて――」
「そのままでいいってば!」
携帯を取り出し電話をかけようとした伊集院を寸でのところで止める。
なんで夕飯食べるだけで正装する必要があるんだよ…。
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