透明な船体から見える青色の星が彩りを変えた。 「本当に地球は駄目なのか‥?」 不意にかけた問い。 胸板の中にいるナルトが小さく頷く。 『…もう、ダメ。おしまい…‥』 「……そうか。」 『………ごめん‥』 本来なら まだ若く、生き長らえた星…── 誰が悪い訳でもない この星も… 人も… だが ナルトは最期まで、こうして人類に対しての大罪を一人被り、謝罪して行くのだろう。 たとえ地球を 全てを失っても… 限りがあり いつかは滅びる摂理。 永久に温存する事は どんな手段を使っても無理だ。 だからこそ 大切になる。 形ある物、目に見える物が全てでは無いと理解はしているが、それ上に…そうした物を失う哀しみを知っているが故…… ナルトは 成長する“兵器”として長い年月が育んだ人類の知恵と全霊を込め、…造られた。 悪しき九尾の殻を脱いで“大きく”なったナルトが、“選ばれた‥”という啓示の意味が漸く知れた。 九尾はナルトの意志を継いだ巨大な“箱舟”と化して俺を運ぶ。 遥かなる空間の最中で 俺が出来る事 したい事 伝えたい事を総て、この抱擁に託して 最期の瞬間まで1秒たりとも離さずにお前だけを思い‥ 二人だけの歴史を刻もう。 「…‥ナルト‥」 『――‥サス‥ケ‥』 見詰め合う瞳を閉ざし重ねた唇‥… 地球がこの船体をも揺るがす大きな音をドクンと一つ立てたのが、何故かナルトの心音に思えた。 崩壊せざるを得ない星が “人間”という存在を残す事を望んだのは… まだ“人”に未来があるからなのか… それは解らないが、俺達は加速する想いを止められず、これからも“ 恋 ”をして行く事は確かだ。 そう 何処にゆこうと、どんな姿になろうとも、必ず互いを見つけ出し、惹かれ合い、想い合い、離れようにもそれが出来ず、寄り添い合いながら、この広大な空間を彷徨い、辿り着いた何処かで、何かに姿を代えては、“人のカタチ”を求めてゆくのだろう。 そうやって俺達は …‥──ずっと |