[携帯モード] [URL送信]
Love sound-5


透明な船体から見える青色の星が彩りを変えた。




「本当に地球は駄目なのか‥?」


不意にかけた問い。
胸板の中にいるナルトが小さく頷く。


『…もう、ダメ。おしまい…‥』



「……そうか。」


『………ごめん‥』







本来なら
まだ若く、生き長らえた星…──


誰が悪い訳でもない

この星も…


人も…


だが
ナルトは最期まで、こうして人類に対しての大罪を一人被り、謝罪して行くのだろう。

たとえ地球を

全てを失っても…








限りがあり
いつかは滅びる摂理。

永久に温存する事は
どんな手段を使っても無理だ。


だからこそ

      大切になる。



形ある物、目に見える物が全てでは無いと理解はしているが、それ上に…そうした物を失う哀しみを知っているが故……



ナルトは
成長する“兵器”として長い年月が育んだ人類の知恵と全霊を込め、…造られた。


悪しき九尾の殻を脱いで“大きく”なったナルトが、“選ばれた‥”という啓示の意味が漸く知れた。


九尾はナルトの意志を継いだ巨大な“箱舟”と化して俺を運ぶ。










遥かなる空間の最中で

俺が出来る事
したい事
伝えたい事を総て、この抱擁に託して
最期の瞬間まで1秒たりとも離さずにお前だけを思い‥
二人だけの歴史を刻もう。


「…‥ナルト‥」


『――‥サス‥ケ‥』


見詰め合う瞳を閉ざし重ねた唇‥…


地球がこの船体をも揺るがす大きな音をドクンと一つ立てたのが、何故かナルトの心音に思えた。




















崩壊せざるを得ない星が
    “人間”という存在を残す事を望んだのは…


まだ“人”に未来があるからなのか…





それは解らないが、俺達は加速する想いを止められず、これからも“ 恋 ”をして行く事は確かだ。

そう
何処にゆこうと、どんな姿になろうとも、必ず互いを見つけ出し、惹かれ合い、想い合い、離れようにもそれが出来ず、寄り添い合いながら、この広大な空間を彷徨い、辿り着いた何処かで、何かに姿を代えては、“人のカタチ”を求めてゆくのだろう。

そうやって俺達は
   …‥──ずっと






    

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!