『あのさ、いつまでも裸なんは、やっぱ恥ずかしいからさ… その‥、何でもいいから服着させて欲しいんだけど……』 泣きじゃくった顔をあげるナルトの頬は赤く、恥じらいを隠せずと訴える態度。 映像すら恥ずかしいとは…‥── ‥映像だろうと構いはしない。 ナルトを…━━━ などと邪な考えが過ぎるが流石にそんな状況では無いと疚しさを堪え冷静を装う。 「服なら何でもいいのか‥?」 『サスケが一番、オレに似合うって思うヤツを頼むってばよ!』 「そうだな…、せっかくだから俺の野望を備えたものにでもするか…」 『…‥へんなモン着せたら怒っかんな!』 掴めない襟を掴む形をして睨みすえ、怒りの表情を現すナルト… さっきは笑って さっきまで泣いてて 今は怒りと変わる。 俺も こいつに逢える前まではしなかった顔をしていた。 何がこいつに一番似合うか、顔を臥して腕組み考える。 『カッコイーのにしてな!』 「フッ…、任せろ。」 『…あッ!?』 「…悪りィ。」 己の貧困さに呆れたが、俺は確かにこの服が一番似合いだと思っていた。 『ううん、オレも好きだってばよ!』 嬉色を発して笑い、 学園の制服姿で 抱き付いて来るナルトを包む。 俺の背中へと手を回して肩に額を落とす。 『…‥サスケん中に…‥残ってたんだな。 …‥…こんなに、‥‥…こん‥なに──、‥…オレが…‥』 再び涙に噎び啜る声… 噛み締める唇。 触れられない金糸を形通りに掌内で緩りと撫でる。 「‥…当たり前だろが」 『…‥…───なあ‥…』 『オレ、―‥ちゃんと見えてっかな?』 「…ああ、ハッキリな。」 『…‥…‥サスケ──‥』 「…何だ?」 『…オレのコト、いっぱい、いっぱい覚えててくれて‥………ありがと。』 礼を綴った下弦の月のように笑み形作る唇に滴り落ちる雫が、その暖かみある破顔に憂いを彩らせ 何も言えず…‥ーー ただ生身の温もりをナルトへ伝えたくと望み、くっきりと色濃く鮮やかに残存している愛おしい象りを壊さないよう 強く、抱き締めた。 そして 寄せ合う身の感触は得られずとも背中を手繰り抱き締め合う。 幸せそうに微笑み合いながら 永遠を誓うかに…――。 [*前へ][次へ#] [戻る] |