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Promise-9


変容する空……



雲が晴れ、雨が止んで朱朱と照り映る景色に霧靄がかかり視界を霞ませた。



そして大地が唸る。


「…━━!!?…」


約束の場所を示す、小さな山が見えた辺りで大地を割き響く、途轍ない規模の地震に足をすくわれ微動だに出来ず、地べたへ這いつくばっていた。



「気をつけろって問題じゃねーだろが……」


大地を揺るがす予測以上に大きな地震は
やはり、これまで体感した物よりもかなり大きく激しい。


そして、やけに熱噴く蒸気を奥深い裂け目から発生させ、有機を含んだ空気が流れた。

一寸先も見えやしない…。

ただ跳ね上がり揺れる地の侭に身体を預ける事しか出来ない。


崩壊する鈍く重い音…
どれ程続くのかは分からねェ…、考える余地などなく……━━


そうして、やり過ごしていると突然、背面に広がった酷く真っ白な閃光。

その膨大な光に
この町全てが包まれた。








「…ぐ……っ…」







意識が遠のく気がした



………まさか……!!






まだ…
約束を果たせちゃいねェってのに……







意識を失いたくないと糸程の視界を保ち
地に縋るかに土を引っ掻き掴む。


「…くそッ…!!」




くたばって堪るもんか…


こんな所で……







まだ…、


   オレは……――

 生きなきゃならねェ…








約束を
果たさなきゃならねェ




待ってると言った

アイツ…


アイツとの約束…






アイツを



抱き締めるまで……







何が何でも


生きて抜いてやる…‥














動きたくても
動けねーなんて情けねェ……




目を瞑ったら終いだ。






最大級の揺れは徐々に治まりつつある……


未だ地が限界だと喚く様子で悲鳴をあげてるが、知ったこっちゃねェ……









行かなきゃ…な…









いい加減動きやがれ…







俺の身体……━━







動けよ…


動けってんだよ…!









   頼む……




逢いたい…んだ…





もう一度だけでいい






……━━逢いたい




俺の最愛に…───









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