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Promise-7※キバ



夜みてーに真っ黒な空酷ェ…雨。



余震って奴もあって
ここで待ってる間も何度か地面が揺れた。


オレでもわかる、異常な事態…――



赤丸は動物の勘って奴でオレを残して飛び出していった。



頭の良いシカマルなら尚更……だよな。



アイツは大丈夫なんだろーか…



電話とかねーのって偉ェ不便だぜ。




「なあ、‥赤丸…―――」




約束、守れたんかな…オレ。




約束、守ってくれんのかなー…アイツ。



ひとり呟いていた。
赤丸に…問いかけるように、雨に混じる涙を拭えず。



空の色と地鳴りと
『ひとりぼっち』ってのがオレを余計不安にさせていた。


さっきは見えた秋桜の花もドコにあるのか分からねェ真っ暗な畑の中、動かないで腕を抱えこんで震えてた。

赤丸の毛が残ってる服を掴んでた。



「何でもいいから赤丸とシカマルが無事でありますように!!」


叫ぶような声は雨と轟く雷鳴にいとも簡単に消されちまう。



唸る空と大地が怖ェけど…赤丸の意志を思うと勇気が沸いてきた。

信じる心も蘇ってきた。



赤丸は……
どこかで生きてる希望さえ沸いてきた。


アイツに会えなかったらって、さっきまで考えてたんだけどな。



不安で不安で涙を雨に流してやっと見えてきた。


アイツはきっと来る。

何があっても…ってな。



雷が止んで真っ暗になっちまった空とは逆にオレの心には光が射し出していた。




アイツはよ
めんどくさがりなクセに思った事は絶対なんだ。


絶対やり遂げる奴なんだ。


テメーが無理しても…よ。


まったく、テメー勝手なんだよなァ。


そのクセ計算通りにいかねーとイライラしてアスマ先生にあたったりよ。



機嫌わりィの、オレには隠して
オレにへんな気使って、
気使えってとこ全然だし…



人情に脆くて
めんどくせーとか言う割に
マメだったり
世話焼きだったり。


頭ん中で計算してても感情までは計算出来ねー‥


アイツは…


シカマルは


そうゆう奴なんだよなー…


アイツの事
考えて思い浮かべてたら
いつの間にか笑ってた。








気がついたら
  雨も止んでいた。



空も泣きやんだ感じがした。



「ワン、ワン!」

「!!?」



あの鳴き声は



  「赤丸ぅうーーッ!!」

晴れ間が見えてきそうな空の下
小さな犬に向かって走ってた。


「よかった、お前無事だったんだな!」


ぎゅっと赤丸を拾い抱く。


「心配してたんだぜ、赤丸ー!!」


空に
やっと晴れ間が射してきた。
赤くてドデカイ太陽が黒い雲を振り払う、その下で
よかった…よかったって赤丸を抱き締めて、とまらない涙を赤丸の濡れ汚れて冷えていた体に零してた。

大丈夫だと言ってる赤丸の舌が頬をくすぐる。

赤丸との再会が嬉しくて戯れてることに夢中になっていた。






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