Promise-4※シカマル
「何だ、この不気味な空は…よ?」
カーテンを開けた景色は見た事もねー色に染まっちまってた。
「シカマル、起きたか。何だか空が異様に赤いが…」
部屋のドアを開け眉間を歪ませ、危ぶむ表情でオレに投げ掛ける親父に言われなくても
危機迫るものを感じてた…
雲なんて全く見当たらねーくれぇ、真っ赤で大きな太陽が朝を知らせていた空に……。
「………――ああ、いよいよ戦争も終わりな感じだな?」
「……派手な戦争だったらしいからな…」
情報なんてもんは最初からあってなかったようなもんだった。
北海道(こっち)で空襲があった時には
すでに東京なんて巨大都市は滅び、第二、第三都市でさえ…消失していたってな事を他の場所から流れてきた奴に今更、聞いた…
「どうした?」
親父に構う事なく着替え机を開け慌ただしく素通りする際に投げられ質問
「ちっと出掛けてくっからよ、親父はお袋を宜しく。」
「おい、朝飯は!」
「んな暇あっかよ、クソ親父!」
親父を後目にして一目散と家を出た。
根拠はねーが嫌過ぎる予感のままに…
家を飛び出して数十メートル。嫌悪する予測を知らせるみてぇなデカい地震がきた。
その揺れに足元をすくわれる。
外でこれなら屋内じゃあ、もっと体感してんじゃねーか?
「クソ…!」
地震は何度も頻繁に起こってた。
日増しに増えてった。けどよ、こんなデカい地震は…サクラが命を落とした、あの地震以来。
アイツは大丈夫なんだろーか‥
振動する地面に遮られて進めねー間、親父やお袋より何よりアイツの身の安否が気掛かりだった。
アイツに
見せたいモンがあんだ、きっと咲いてっから。
その場で渡してーモンだってあんだよ…
ずっと前から
机ん中にしまって置いた小さな袋。
オレと揃いってーか、まァ、そんなもん。
それより
オレの好きなアイツへ届けなきゃ…な。
この気持ちを…
「こんな所で立ち止まってられっかよ…!」
まだ止まない地震…
この血みてーな赤一色に染まった空の下で崩れてく景色。
……ふと横走る思考。
終わんのは戦争じゃねー…
終わっちまうのは…
間違いなく……──
それなら尚更…
逢わずには居られない…‥
たとえ一輪でも
あの色の秋桜が
咲いてる場所で‥──
脅威にも負けず
明るく健気に咲いてるだろう花のような
ア イ ツ に。
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