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Promise_3


最初は
俺だけの秘密の場所だった…


初めてアイツに教えたのは一緒にいて欲しくて……、だった。



あいつと初めて口唇を重ねたのもあの場所だった。



あいつとの約束を破り悲しませ、終わりを覚悟した事もあったが、諦めはしなかった。





また逢えると信じて
足しげく通っていた、あの時…――
感じた気配にまたハジマリを期待した。


それから暫く此処から離れ、何もかも捨てて、…共有した幸せな時間を過ごした。




その結果が招いた負担は大きく……
哀しいものだった。


だが、信じてた。


生きてさえ居れば


必ず逢えると…――





想いは尽きる事なく
互いの願いや励みとなり、再び……──逢えた。



そして
信じた感触を合わせ、身も心も結び……──

漸く『ひとつ』になり疎通した歓びに体温と鼓動を感じた……




ナルトは俺と同じ
“人間”だと確信した…











『恋』がはじまり





『愛』を知った‥――





『待ってっから…』






あいつが居る






あの場所へ……──






どしゃ降りの雨の中、


  加速する想いの侭に走っていた…


  早く、逢いたくて…








それぞれの約束








「なあ…母さん…」


「はい?」


大地の揺れが治まっても尚、優しく美しい妻を抱き座り込んでいた…


板床には棚から落下した鍋やら食器の破片、硝子の破片やらが散らばっていたが、幸い妻は怪我は一つも無く。不安気ながらに微笑んでいるのが何よりだった。


「…サスケは、…一人前の、良い顔になったものだな。」

「…ええ。まだ子供だと思ってたのだけど……、いつの間にか立派な大人になってたんですね…」


優秀な息子イタチにばかり目を掛けていたのは事実。しかし彼奴が家を出てからと云うもの、サスケに期待を向けて居ながら、いつかはイタチが…――等と長男に期待を添えていた。

名門なる家の継目として……



「…――全く以て、下らん…」


「何が……です?」



沽券に拘り、汚名を被る事を恐れ世間体のみを気にしていた……


「…過去の…──己がだ。」


「……──いいえ、私にはいつでも自慢の“あなた”でしたよ。」

頬に
しなやかな指を触れさせ撫でる手は何十年経っても変わらず、
優しい微笑みと共に
……守りたい。


お前が居てくれたからこそ…、現在がある。



「…!?…あなた!」


妻を抱え上げて立ち上がり居間へと渡る


硝子や陶器の破片が足裏に刺さろうが気にも止めず、倒れた家財を避け通り


「……──あ…な‥た…」


破片を踏みしめる細かな音に心配する妻の華細い声色へ、フ…と笑いを滲ませ安堵を促し
卓袱台の決まり付いた席に腰を据え降ろす。



胡座かく膝上に愛妻を乗せ長い艶やかな黒髪を腕に包み、撫でる。


幾年月が流れようとも不変なる愛おしい温もりに咽びかえり額を落として瞼を閉ざす…──



いつでも身形を整え、執務に出掛ける事が出来た。





いつでも
暖かい食膳を拵えてくれていた…


飯を喰う僅かな団欒の時間が楽しみだった…







口には出せず終いではあったが

常に、感謝していた……




大きな病気もせずに育った息子達に……






整った空間
陽の香りが残る寝床
出来立ての食事……




優しい微笑みを照らす
 お前に……──





「……‥…有り難う…」



「………──は、…い‥」








 夫婦水入らずと

    二人だけで







  食卓を囲んだ……




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