Promise_2
靴を履き歪んだ玄関の戸を開いて外へと飛び出し、暫く走り続ける。
朝だからなのか
地震には慣れているからか
それとも…
やはり皆、
察しているからか
外には、思ったよりも人が居ない。
ある程度
避難所に加え駐屯地となった学校へと荷を持ち出向く輩を目にはしたが、慌てふためいている様子はなく
怪我をしてる奴も中にはいたが、かすり傷程度だった。
しかし
さっきの地震で重傷を負った者もいるに違いない…
崩壊していた家も幾つか見た
走りながらに…
余震は何度かあったが走る事を止めずに、ひたすら向かっていた。
目的の場所まで半分も満たないとした付近で、どっから涌いたかは知れない墨色の雲が紅い朝空を覆い…――、みるみると夜のような暗い空へと変えて行った。
紅から闇色に変わり果てた異常な空模様に畏怖を感じて困惑しつつもゆっくりと足を進めていると、突然眩い閃光が仄黒い空に縦走った。
「……!?…──」
直下に降り落ちる放射に立ち竦み
目を奪われたかに漠然と空を見上げていた…
この町だけを守るように、幾つも幾つも降り注ぐ火柱は、橙掛かった朱を支柱に纏い、その全体は白色を帯び。暗い闇雲さえ眩しいと思える程の光を放っていた。
「これが…九尾の灯…」
不思議と九尾と言う詞を口にしていたのは
放たれた色合いが
アイツのように思えたから、なのか…
今まで見たものは距離感の違いからか、一瞬だけ空がチカッと光った物だった…
こんなに巨大な光の柱は見た事がなかった…
「何て…哀しい色なんだ…」
最終兵器として大きく育ったと変に実感して感傷が混じり
胸に蔓延った突っ支えが溢れて言葉を漏らしていた。
太い柱状の光が空から消失して間も無く唸るような雷鳴が轟き……
くすんだ色をした大粒の雨が降り出すと…──
『 ごめん… 』
『 ご め ん な‥』
まるでアイツが泣き叫んでるような雨音が響き渡った…
『地球が本当に終わる時、めちゃくちゃ怖くて…みんな痛くて、マジで気ィ狂うほど、つれェ。そんなんが何日も続いて、目の前で倒れてる人たちには何も出来ず、テメーでも何も出来ねーで
『苦しい、痛い、何とかして』って思いながら……おしまいになる。』
……そうか
『…ごめん。』
そう、‥…だったのか。
やはり
あの柱灯は…
……ナルト
“ お前 ”だったんだな…
『終わりの日』は
ナルト
お前が…―――
『暫くしたら
前よか全然おっきな地震が来っから気ィつけてな。』
急がなきゃならねェ…
この後に
予測される事態は…
気を付けろとかの問題じゃ済まされないだろうからな…
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