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Paradise blue-1
瀬名様

言葉では語れない愛情と悦びを
身体を結んだ事で
見出だしたナルトは頻りなく「ごめん」と呟いていた。



それは
戦争と言う名に隠された真実を知る
非情な殺人兵器である己が、こうした至福を味わってはいけないと戒めを掲げ

多くの人々が
今‥この時間すら苦しんでいるというのに
得てしまったと弁える快感からの罪悪に苛まれた「ごめん」だった。



ナルトの金色に輝く髪を指梳く。


…何も謝る事はない、と。



俺との愛を育んだ行為から極自然な歓びを感じてくれた、それが凄く嬉しかったと伝えつつ、前髪を掻きあげ
額に口付けをひとつ落とす。

やがて見つめ合い
全てを払拭出来ないと匂わし細めた蒼い瞳で頷いたナルトに明るい笑みが宿り始める。



安堵した柔らかな微笑みを刻んだ唇が至近で動く。



「…サスケ、…オレさ、初めてなのにすげー気持ちよかったってばよ!痛いっての、感じない身体でマジでよかったかも!」


憂いた顔を破棄した途端の弾む声には驚かされて声も出ず。
瞬きを数度してナルトを見詰めていた。


「もっと早く…サスケとエッチすれば、よかった…‥━━」


俺の輪郭を辿る指先が顎から滑り落ちると
唇が塞がれ、
甘い吐息が口腔に流れた。


「…ん、…サスケ…好き…──」

向けられた言葉の意味を素直に受け入れ
罪悪感を退いたナルトはコトを終えたばかりにも拘らず、俺を欲求していた。



生命の営みを紡ぐ神聖な行為という名目を掻き消し


生きて
恋して
感じられた歓びを
只管と貪る事で表わし切れない気持ちを主張していた。



仄かに開いた唇に誘われ


柔らかな感触で刺激されて


勢り勃つ俺を
ナカへと、また導く…





静かな林間に
響くのは交わる蜜音と
ナルトの艶やかな音調…


純粋なだけに乱れ
撓垂れるナルトの姿態が双眸に映る。



深い場所で擦り合い

戦慄き

飛び散る白色に

意識落として

どうぶつのように
背を丸め

眠り就き


朝を迎え

目覚めては

再び求め合い

愛しいと戯れ


交錯する熱を放ち

快楽に蕩け行き…

微睡み


幾度も
この衝動を繰り返す









時は遷り変わる空で知り、
何度も昂揚して

薄く透明になっても
未だ互いが欲しいと身を結び

一時的な満足と安らぎに安穏とした寝息を重ね

意識を戻せば

覚醒した感覚を
もう一度と…

再び肌を密着させ

純蜜を爆ぜ

融合した万感に身を馳せる


潤し満たすのは互いの樹蜜のみと、錯覚した脳内は空腹すら忘れ。
愛し合える至福と
爛れた熱に溺れた時間が流れていった。




理性の枷を外し

性の快感を求めて

愛しさを伝達するだけの行為を目を醒ます度に続けていた。






存命する愛が生きている証と

身体の奥深くに刻みつけ染み渡らせ

本能に逆らう事なく
全身に走る悦楽に互いを委ね
空っぽになる事で……

俺達は

読取れる未来を
消失する世界を


否定していたのかも知れない。








二度目に訪れた
朝の陽射しが酷く眩しく、僅かに瞼を開くと
偉そうな紋章を襟に
着けた服を身に着けたナルトがコンクリに身伏せて何かを書いていた。


「何、書いてんだよ?」

「な!…何でもねーってばよ?」
誤魔化し笑う顔を
顰めた眉で見据え、ナルトを退かす。


目にした文字に気恥ずかしさを覚えた…



☆⌒初めて記念⌒☆

サスケ]ナルト

ΣV-_-V(≡^∇^≡)




「………何だ、これは……」


「えっと…記念で証‥?」


「ナルトォ‥!」


「な、なに!…何だってばよ!」


ナルトの手首を掴み地へ押し倒す。



「何故…服なんか着てる?」

「…仕事、行かなきゃだから…━━」


「…行くな。」


「あ…ダメ、…オレ兵器だから、ホラ…やんなきゃなんねーコトあるし…‥それに…」


掛けたばかりの釦を解きネクタイを緩ませてナルトの胸を触り
口付けで尖りを吸い
噛み扱いて傍に居ろと命じる。

「ぁあ、‥サスケ…っ…ゃァ‥」


ナルトのズボンのチャックを降ろして膨らみを舐め、口に咥え扱くと直ぐビクビクと反応した。


「ぃやァ…ン、舐めちゃ…ダメぇぇ!」



ナルト


お前を


繋ぎ止めたい…


愛しいと伝えながら



飛び立つのは消えゆくだろう
あの空じゃなく…――


俺の腕の中でだ…と


抱き締めて

閉じ込めたい…



ずっと

この身が朽ちても


永遠に……




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