Paradise blue-7
ナルトが望んだ事を
守りたくて帰宅した。
別段
変わりなくとした食卓を囲い、口数の少ない父さんと、厳格な空気を和ます母さんの料理を味わう。
母さんの手料理も旨いが、ナルトの、味加減や格好が毎回違う不器用な料理が食いたい。
などと考えながら箸を進めていた、その途中でナルトが俺の名を呼んだ気がしたが……
気の所為だろう。
あいつは
飛び立っていった。
俺から離れたのは
また俺に逢いたいからとの意を残して…
「御馳走さま…」
食事を終え席を立ち
茶碗を台所の流し場へと片して廊下を渡り階段を昇る。
「後、二日か……」
乱したくない平穏
だからこそ
俺は
父さんや母さんに
この星が終わる事を告げられず…――
一人、部屋に篭ると
ベッドに寝転んで
ナルトの残した日記をまた繰り返し読んでいた。
「最後まで苦しくても生きたいと懸命になり、決められた寿命を全する。…それが、幸せに生きたって事に繋がるんじゃねーのか?」
字面を追って
頭に沸いた疑問を
答えてくれるヤツなんざいやしねーが
声に出して尋ねていた。
知らない間に……
『誰が決めたんだ?
寿命なんてな約束…』
「!?」
頭に流れた声に起き上がりベランダの大きな窓を開ける。
しかし
夜空を探しても階層の地を見回しても
ナルトの姿はなかった。
『オレは今、失くしちまった力を蓄なきゃで休憩中!だからサスケの近くにはいねーんだ。』
「なら、何故…お前の声が聞こえる?」
『…信号、送ってんだってばよ。GPSの周波数を利用して、サスケの頭ン中にだけ‥』
…ああ、それでか。
なるほどな。
『なあ、寿命ってな約束…この星も守れねーで、この星の生きモン達も知らねーマンマ、守れねーで終わっちまうのって、……不幸なんかな?』
「…………―――」
『…どんな生き物もさ、生まれてくる時、死ぬより苦しい思いをするんだと。母ちゃんよか何百倍も苦しくて痛くてメッチャクチャつれェんだって!
だから息吸ったとき
嬉しい!命をもらえて幸せだってデッケェ声で泣くんだ…ってカカシさんが言ってた。』
「……カカシが?――……そうか。」
『オレは幸せだぜ。やっとわかったんだ、サスケに恋して…サスケに抱かれて…さ。』
「……ナルト‥」
『ヤッベー!!また何かきたってばよ!そんじゃッ!』
慌ただしくとナルトの声がぷつりと切れ
「サスケ、降りてらっしゃい。」
ナルトの声と入れ替わるように母さんに呼ばれ二階にある自室をでて居間へと赴いた。
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