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Paradise blue-3

目覚めるとナルトの姿は消えていて代わりに一冊のノートが残されていた。


それはナルトの日記だった。




サスケへ。


こんな話すんのは苦手だから、ココに書いとく。

嘘はキライだから
はっきり言う。


地球はもうダメなんだ。
本当に本当に終わっちまうんだ。

もう時間はねェ。

だからオレは決心した、オレしか出来ないから。


みんなが
苦しんで
辛くてってのは嫌だ。


地球が本当に終わる時、めちゃくちゃ怖くて…みんな痛くて、マジで気ィ狂うほど、つれェ…。

そんなんが何日も続いて、目の前で倒れてる人たちには何も出来ず、テメーでも何も出来ねーで
『苦しい、痛い、何とかして』って思いながら……おしまいになる。…ごめん。


でも
それは人間が散々
この星に与えたモンと一緒で…この星も痛いのと苦しいのをこんなんなるまで我慢してたんだ。


オレは神さんってヤツとか地上の啓示で選ばれたとかって言われたけど、
オレを
最終兵器を……
造ったのは人間で。




いまさら
そんなコト言っても
仕方ねーからもう言わない…、ごめん。


とにかく
オレはみんなが好き。
サスケが大好き。
サスケが一番好き。



みんなを守りたくて
せめてこの町は最後まで守りたくて

殺したかねェ生命を
敵として
これが正義だって

そうやって
九尾の力を利用して
大きく強くなった。

けど…
守れるモンに限りがあるって知らされた。



全部は無理なんだって。


ごめん。本当にごめん。


オレにとって大切で
かけがえのないモノは故郷でもねー
地球でもねー‥

たった
ひとつだったんだ。


壊れちまう地球を守る力なんか最初からなくて

破壊させるコトで
苦しいを失くしてやるコトしかできなくて…

だけど
サスケは生きたいってオレに伝えてくれた。

だからさ、だから…
決めたんだ。

やっぱ苦しいが続くのは、やだろーし…


でもな、サスケ!
お前は、お前だけは
最後までオレに付き合うんだぞ!





……そういや、ナルト

お前、
最初に訊いたよな…


俺に

『付き合ってくれっと嬉しいんだけど‥』ってよ。



『好き』とは言わない告白だった。


丸く淡い碧い瞳に不安を抱え

訊ねて来た……



あの日から
何ヶ月が経った?




その時は知らなかった

まさか
こんな事態になろうとは……


俺もお前も
思ってはいなかった。

ただ
恋のはじまりに戸惑い
ぎこちなくと過ごしてはいたが

感じていた…


今までとは違う
……時めき

触れたら壊れそうな
感覚がした…


ドジでドベだが
元気だけは良くて

真っ直ぐに俺を見つめてきた…。



澱みない笑顔を振りまいてた……



あの日も


あの時も……




身体の変化を伝えてきた

涙を隠しながら

笑って……






フツーじゃねーからと、別れてくれと告げたあの時、…何故
俺がお前の代わりになれなかったと悔み、
…酷くナルトを愛しいと思った。


『好き』が好きだけでない別の感情に変わったんだ…

俺の中で……






えっと、話を戻すと
地球はもうダメで
あと2〜3日でおしまい。

見たコトがねェ、信じらんねーくれェの
すんげー真っ赤でムチャクチャでかい太陽が空一面に広がった朝焼けが終わりの日の合図だってばよ!←これマジで重要!!


それから
空が真っ黒んなって
雷と雨が酷くなって
そんで暫くしたら
前よか全然おっきな地震が来っから気ィつけてな。



目ェ覚めてコレ読んだらさ、家帰って父ちゃんと母ちゃんと飯食って、風呂入って布団の中でゆっくり寝るんだぞ!
もう、うまい飯も食えねーし、ふわふわの布団でも寝れなくなっから。


で、話は変わって……

サスケと沢山エッチして恥ずかしかったけど…
オレの歴史ん中でイチバン!気持ち、よかったってばよ。


エッチでごめん。

いっぱい感じて
欲しがってごめんな!

もし……
時間あったら、
途中でサスケ寝ちまったし…、もう一回サスケとエッチしてェなって思ってたり。


ごめん!嘘だから!
冗談だかんな!

本当に本気にすんなよ!


あのさ、本当はさ、
こんな兵器んナカに入るなんて怖かっただろ?

なのに、
いっぱいいっぱいオレのナカに入ってくれていっぱいサスケを出してくれて、
愛してくれて、
……ありがとう。

凄く嬉しかった。

サスケに恋して
サスケを好きんなって
本当によかった。


もし、もしも

こんなオレのコト
最後まで恋人だって思ってくれてんなら……
地球が最期の時に
ここでオレと逢って欲しい。

そして一緒にいて欲しい…

いやなら来なくていいからさ!


……待ってるコトだけ許してな。



最後に

サスケが大好きだってばよ!


そんで本当に本当に最後に

人間であったときに

ただの
ウスラトンカチな…
うずまきナルト
だけだったときに

サスケに好きを伝えられて
サスケと恋人になれて
本当によかった。



そんじゃ、また!
会えると信じて……

待ってっから!





穏やかな陽を浴びる
小さな町が一望出来るこの場所へ再び‥と決し服を整え、
ナルトの日記を脇に抱えて自宅へと帰る事にした。



ナルトが
朱い飛翼と九本の尾翼を広げて
飛び立っただろう青い空を見上げて思いを馳せ尋ねてみる……




現在でも



…ナルト





お前は…――



『付き合ってくれっと嬉しい』…のか?


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あきゅろす。
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