[携帯モード] [URL送信]
Paradise blue-2※sideナルト

「…サスケ?」

オレのモノを愛撫していた舌の動きが止まっと、規則正しい吐息がソコに吹きかかった。

「…いっぱい、愛し合ったもんな。」


空になって溶けた時間も幸せだったけど

こんな場所に顔を伏せて眠り落ちたサスケを見つめてる、この時間にもすげー‥幸せを感じる。


上半身を起こして整えたズボンの膝上にサスケの頭を乗せて
ゆっくりゆっくり髪を撫でていると自然と顔が緩やかになった。


サスケが一生懸命
オレへと伝えてくれたコトは無駄じゃあなかった。


オレはやっと
オレがするべきコトを思い出した。


破壊するだけの九尾には出来ないコトが現在のオレには出来る。


そのタメに頑張ったんだ。



そう…──
過ぎる想いが胸の内側にいっぱいになると
自然と眠ってるサスケに、どこで習ったかは丸っきし覚えちゃねーが
この星の誕生と歴史を語りかけていた。


何故、生物が宿り

人間が誕生したのか…

大地や環境に添った
人種

肌の色
髪の色
瞳の色に分け隔てたみてーに
それぞれ意味を持つ
言葉が生まれ
歌が生まれ
文字が生まれ

そして
神話や御伽話や出来上がったか。


争いを繰り返して
進化した文明や営み…
約束に、
規則に、
法則……

人間としての導き


国と言う名の陣地で
互いを守り温存し


平和を願い……


手にした平穏と
叛乱する不平


豊かさの裏に隠された貧困


平等と安泰、

自欲と名誉

便利さと不便…


まだ不便だと
まだ豊かになりたいとして
乱された自然の理


失われて行く資源



新たに開発された動力

よどむ空気


過熱した地球の温度



また繰り返される争い


正義って言われた抗争

圧制されて戻る平和





そんな中で


人は誰かを愛し


愛されて


必要として


されてきた。


いつの時代でも。






人は
いつだって本当に
一人じゃなかった。



どの歴史も一人では

伝えられなかった

伝わんなかった…


どの時代も
精一杯に人は生きていた。


だから
紡がれたんだ…



学んだコト

感じたコト。



どんな人も
欠けちゃあイケなかった

たった一人でも…。




その時代に生まれた
コトに意味があったんだ…って


未来を作る人達に託して。






全部が正しいワケじゃない。

全部が間違ってたワケじゃない。


本当ばっかじゃ成り立たない

嘘ばっかじゃ失うだけだった…


でもさ…


昔の…ガキの頃のオレに嘘をついてやりてェ…‥




オレはテメーが口にした話に気持ちを重ね始め、何だか…そんな気分になっていた。



サスケの伏せた睫毛をなぞり
整った輪郭をゆるやかに撫でて幼い頃のテメーに見立ていた…
いつの間にか。






誰かが残した…言葉…
『地球はもうお終い』ってヤツ。


誰が言ったかなんてのは小さかったからわかんねーけど、
テレビでやってたんだ。



眠っているサスケの頭をソッと抱えて、
そのまま腕を枕にして一緒に横たわり
頬を擦り寄せる。


そしてサスケの無防備な姿に重ねた

怖い、怖いって

大人になれねーうちに死にたかねーって

布団被って泣いてた
あの時のオレに。



そんなガキなオレを
こうやって抱えて……


前代未聞のデッケェ嘘をついてやるんだ。



ニッコリと笑って…


「地球は大丈夫だってばよ!」


そう…‥
嘘をついて…
泣くなって……
嘘だから…
そんな話は…伝えなくていいって。






サスケの鼓動が腕の中で響く…


生きるコトを望んでるリズム…‥




あの頃のオレと一緒で生きて大人んなってってなコトを強く望んでる……





嘘じゃなくて

“本当”を
サスケにだけは伝えたい



「オレが守るから…
最期まで…お前を……。だから今は…安心して眠ってな…。」



サスケの前髪にちゅ‥ってして


暫く
眠っているサスケを抱き締めていた。














脳裏に秒単位で時刻が知らされる






そろそろ…‥時間だ。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!