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黒い球のある部屋






走った格好のまま
何故かは分からねーが俺達はココに辿りついた…




オレ達の他にも何人かの人が大きな黒い球の周り集まって座っている。
何なんだ此処は……



死後の国は
マンションの一室
だった……‥なんて、そんな訳は有り得ねェ。


それより……
もろ助かったと嬉しそうな顔をして俺の手を握ったままでいる
こいつ……


「サスケ、オレ達死んでなかったんだな!
お前と走ってたら、いつの間にかこんなマンションまでなんてすげーや!」

切れた息も嬉しそうだ。


「確かに死んだとは思えねーが映画じゃあるまいしどう考えても理解ならねェ…──」



マンションのテラス窓から見える景色は
東京を表す高い鉄塔とネオン。


だが……
不思議な事に
この部屋の壁にも窓にも触れねーのは……



「どういう事だ?」


「あ?何が?生きてるって素晴らしいってコトか?」


「いや…そうじゃなく、ほらよ…」

ナルトの手首を掴み
窓や壁にと触れさせる。

「え?え?……な、なんだってばよ!」

目をパチクリさせて
俺の手を払い退け
ナルトは何度も何度も窓や壁に両手を預けてた。



携帯は電源すら入らねェ。

「ぬオォォッ!なんなんだよ、ココはァアアアーー!!何でさわれねーんだよ!サスケはオレにさわれんのになんで!」

「…知るかよ。」


「テメーすら知らねートコに連れ込むじゃねェエエエエー!!」

「別に俺が連れて来た訳じゃ……──!!?‥」
「……ん!!…」


俺の胸倉を掴みあげ、感情の侭に体を斜めにしたナルトがバランスを崩し、勢いつけて俺まで足元を取られ
背中がマンションの床に落ちた途端
ナルトの唇が俺の唇に重なった……


「あッ!ごめん、ごめん」

どうやら座ってた奴が足を組み替えた時、ナルトが体勢を崩す羽目になったらしい。


前々からこいつの事を……だった俺にとちゃあラッキー極まりないがナルトはショックを隠せず、固まっていた。

互いの感触はしっかりとあり他の奴もナルトには触れられるようだ…。

「うわぁあああーー!!!最悪最悪ッ最悪だってばよォォォオオ!」

「いつまでも俺の上に乗っかてるつもりだ?早く退けよ、ウスラトンカチ‥。」

「お前こそオレの腰から手を離しやがれってんだ!」


「…ああ、つい‥な」


「何がツイだ!何でサクラちゃんじゃなくてコイツなんだよッ!!
オレの…オレの……──、やいサスケ!テメーのセイだかんな!!」
「チィ、…何でもかんでも俺のセイにすんな。そもそもお前がだな…‥──」



「アレ、お前らも呼ばれたの?」


声をかけたのは担任のカカシだった。


「ああ"ーーッ!!
カカシ先生じゃんか!」

ナルトが腰をあげ俺から離れ指差した。
残念だ…もう少しナルトと触れ合っていたかったのによ。
舌を小さく打つ俺も体勢を整え立ち上がった。

「はーい、エブリバディ諸君。」

「カカシ…アンタの口から説明しろ。此処は一体…──」

「そーだ!なんだって電車に轢かれたオレ達がマンションにいんだってばよ!」

「まあまあ‥…ナルト、落ち着いて、先ずは皆さんの話を‥、ね?」


カカシの発声を皮切りに丸く黒い球を囲んで座っている連中が口を開きだした。


話を聞くと
此処に来た奴らは死ぬ直前まで
皆それぞれ別の場所にいて俺とナルトのように命を落とす寸前だったそうだ。



一体何なんだと謎は深まる一方だった。



そして
俺は生きてるのか?





それとも‥…



やはり……‥










あーたらーしい

あーさがきた

きぼーのあーさーが・・・・・





「な!!
何でラジオ体操が
流れんだってーの!!」






「…!?…」


ラジオ体操の曲が流れた後、黒い球に文字が浮かびあがった…。







てめー達の命は無くなリました。

新しい命を
どう使おうと
私の勝手です。

という理屈なゎけだす。









「なっ‥な゛!!何なんだ、この球!?
おいこら!テメー、なにギャグかましてんだよ!」

ナルトが黒い球を蹴ると


誰かが言った
「どっきりカメラかも」…‥――と。



そして
根暗そうな眼鏡が問いた。


「バカバカしいけどさ、この文章マジメに受け取ると、凄く怖い文章だと思いませんか?」



「確かに‥、な。」


「マジに受け取れるワケねーだろが!
サスケは…、オレは…、ココにいるテメーもみんな、死んでるなんて…そんなの認めて、どーしろってんだッ!」






てめぇ達は今からこの方をヤッつけに行ってくだちい。

フカヒレ星人

特徴
青レ )強レ )
擬人化してるつもり

好きなもの
フカヒレ、包丁

口ぐせ

削りがいのあるお方です!!




画面に一枚の写真と
文字が表れると
黒い球が開き
武器やら、防具とされる衣裳が入ったケースやらが目の前に飛び出した。

ケースには俺やナルトの名前が書いてあり
まるで俺達が此処に来るのが当然としているかのようだった。



俺達は一度死んで
シノビと呼ばれる黒い球の中に座っている男に

これから…‥──

生きるか

死ぬか


の選択権を与えられた。



周りの連中の言う事からして、こいつの指令は絶対らしい。







行ってくだちい。

005:59:48






「手短かにいうと黒い球のカウントダウンが終る前にシノビが用意した防具着に着替えないと死ぬ。転送が始まったらアウトだ。」

紺色のシャツとズボン深緑の防弾着のようなダウンベストを着て足に包帯を巻いているカカシに促され
早速、衣裳ケースを開き、急ぎ気味に着替える。

俺は何だか和装のような‥麻地の羽織りに腰に巻く仕様の紫の注連縄と濃紺の腰巻き、黒い襦袢の様なズボン…。腕には保護率の高そうな長いアームカバー‥…。

順に武器を取り出すと
武器は刀、それから手裏剣にクナイ……。


ナルトはと言うと橙色をベースに黒色をあしらったジャンパーに同系のズボン、武器は刀はないが俺と同じ物が入ったポーチ……


「サスケ、何だか侍みてーだな!」


「お前は随分、派手な色着せられてんじゃねーか。」


「へん!そーんな胸チラチラさせた格好よか全然マシだっつーの!」

確かに……
そうかも知れないなと思いながらこれから何が始まり何をするのか、全く教えられずなまま……「後で説明する」と防備を整え武器を持ったカカシが部屋から消える後を追うかにして俺もナルトも

部屋に居た奴らも
ドアも窓も開かずな部屋から順次、その場を動く事なく転送と言う形で消えていった。



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