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先生のお仕事

「それってブラジャー!!な、なんで?仕事ってオカマバーとか!?」

サスケはフッ…とニヒルに笑って分厚いパットをパット付きのブラジャーの中にさらに詰め込んで、デッカイおっぱいを作った。
んで、ボディースーツだとかガードルだとか、窮屈そうな下着をつけて、ブラウスをまとい、ストッキングをはいて、ドレスみてーな長いスカートをはいた。
それから、サスケは長いコートをベッドに投げて洗面所へと向かった。

一人寝室で立ち尽くす。

数学教師が殺し屋だって知らされた時よか、衝撃的だった。

まさか、まさか……
サスケが殺し屋以外にオカマなコトも仕事にしてたなんて……

「気持ちワリィ…」

オェッてして、えずく。
けど、次の瞬間、思い巡らしてハッとする。

オレに外に出るときゃ、女の子の恰好しろって言ってたけど、まさかオレまでオカマに育てて、お水の花道デビュー!!ってなコト、もくろんでんじゃねーだろな?

「そ、そんなの冗談じゃねーってばよォォォ!!」

頭を掻きむしって悶々としてた。
行く宛もないオレは、このまま、殺しの極意を教わるよか先にオカマチック街道を突っ走るように調教されちまうのかも…。オカマとオカマのラブロマンスとか有り得ねェ…。
いや、少年とムキムキなオカマのホモホモライフ突入……なんてのも考えられるってばよ。

オレは、クラスの美少女サクラちゃんに想いも告げられねーマンマ、女の子とチューするよりもオカマと……

「そんなのマジでノーサンキューだっつーの!!」

うぎゃあああー‥って頭を抱えてるとカチャッとドアが開いて、絶世の美女‥じゃねーオカマが、視界に飛び込んだ。

「!!?」

ビックリして腰が抜けるほど、長い巻き毛がキレイでモデルみてーな美人のねーちゃんが突っ立ってる。
コレがサスケだなんて…有り得ねェ。

「…すげー、サクラちゃんよかキレイでスタイル抜群……」

って、何オカマにポッとしてんだよ、オレ!

「フン、それは光栄だな…」

テンパって、ぽーっとして立ち尽くすオレの顎に伸びる指。
なんだか偉くドキドキした。
で、でも、コレはサスケで男だ。

「わ、わりィけど、オレってばサクラちゃんがちゃんと好きで、ソッチの趣味はねーから…」

嗚呼、だけどなんでドキドキが止まらねーんだよ。
サスケだって、男だって、オカマだって、わかってんのに……。
思春期ってツライ。

「何を考えてんのかは知らねーが、生憎、オレにもそんな趣味はない。」
「へ?…じゃあなんで……」

思ってもなかったサスケの返事にキョトンとする。

「言ったハズだ。仕事だとな…」
「仕事ってオカマバーの…だろ?」
「そんな訳ねーだろが、ウスラトンカチ。」

全然、ちっとも理解ができねー…

「じゃあ何?なんでそんな恰好してんだよ?」
「話せば長くて面倒だが…まあ色々とあってな。」

手短かに…ってな話を訊くと、サスケはこの姿でどうやら標的(ターゲット)をたぶらかしてたようだ。この日のタメに女を装いそいつが催したパーティーに紛れて……

「普段はSP付きのお偉いさんでな。しかも闇の世界を牛耳る大物だ。隙が全く有りゃしねェ。だが、そこに付け込んだという訳だ…。」
「男だって、バレなかったんか?」
「バレてねーから今日の日までこじつけられたんだよ。」
「でも声は男じゃん。」

サスケは問題ないって風にニヤリと笑い、コートを羽織った。

「帰りは遅くなるだろうから、飯は棚の中にある適当なカップラーメンで済ませろ。」

遅くなるって意味は、そいつを殺すまでにデートとかして時間を費やすからなんかな?
それじゃあ付いてくワケにもいかねーか。
デートの邪魔しちゃワリィもんな。
今日は大人しく留守番しとくか。

「わかったってばよ。」
「それと、さっきは渡しそびれたが、居間のソファーの横に紙袋がある。後で取り出してセットしとけ。それはお前専用だ…」
「なんだかわかんねーけど、わかったってばよ。」
「後、腕立て伏せとV字腹筋を100回ずつしておけ。」
「げっ!!100回!」
「なんて事ねーだろ?」

サングラスを掛けて女モンのショルダーバッグを肩に掛け、サスケは玄関へと渡り。下駄箱から女モンのデカイくて真っ赤な靴を取り出して慣れた手付きで、それを履いた。服のラインがそうさせてんのか、後ろ姿も完璧に女の人にしか見えない出で立ちで…、そんで…

「いってきます。」
「!!?」

出掛けの挨拶をしたのは、紛れもなく女の人の声…だった。




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