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謀ったな!(R15)

「…なにを――…してる?」

「…ン、…やっと目覚めたようだな?」

顔をあげ、金色の髪を掻き上げつつ、唇を舐め摺る女の姿が目に宿る。

その様子からして、夢の中で這い摺っていた蛞蝓(なめくじ)のようなものの正体が知れ、意識を失ってる間に受けていた陵辱に戦慄き、身が竦んだ。

「なかなか良い一物を持って居るというのに残念だ。」

溜め息混じりにそう呟いて、そいつは“コレ”と示すように水液塗(まみ)れとなった俺自身をぎゅっと掴み握った。

「…痛(つ)ぅ!!」

それから潤滑を利用して華奢な手の内で芯を付けるように今度は強い圧迫で余計に萎えた陰茎をゆるゆると扱きだす。

「何しやがる!?」

「効果が有り過ぎたからか勃ちが悪いな。…――どれ。」

独断的な見識をし、俺の下肢間に滞在したまま身を起こすと、恥じらいひとつも見せず、何の気なしに衣服を脱ぎ捨て、惜しみなく素肌を晒したのだった。

「なっ!!?」

ナルトが確か『バアちゃん』と呼んでたが、裸体からしても、そう呼ばれるには程遠い体つきだ。

「女の裸を見るのは初めてか?」
「………。」

質問に答える気も、そいつの裸体を見る気もなく、枕に顔を横つけ視線を逸らす。

「図星か。まあ、そう恥ずかしがらんでいい。夜は長い。私がじっくり女というものを教えてやろう。」

ククと薄ら笑いを洩らすと、怠さで持ち上がらない俺の両手首を取り掴み、それをグイと力強く引き上げる。

「!?」

そうした一連に臆して視線を戻せば、俺を取り押さえるようにして胴上に跨がる肢体と、誘(いざな)われた掌が大きな釣り鐘型の乳房に触れているのが留まった。

「ん、…柔らかいだろう?」

「…離せ!」

「なに、遠慮などするな。年頃なんだ興味はあるだろう?…ほれ、存分に味わえ。」

俺の手の甲を強く押し抑え、豊満な乳房を揺さぶる程にその弾力の感触を幾度となく俺へと与え続ける強行に嫌気がさし、調子付くその態度にも腹が立った。

「…離せってんだろが!」

怒りのままに勢いをつけ手を払い、辛うじて半身を引き起こしては跨った女を容赦なく跳ね退け、これを凌ぐ。
息苦しさで短くなった呼吸を繰り返しつつ、開(はだ)けた浴衣を取り繕いながら、布団に腰打つ女を睨み付ける。

「ほう…、その具合でよく動く事が出来たな。」

身動きが取れない状態と把握して、こんな事しやがるなんて、その愚劣さには全くもって反吐が出る。

「恥知らずめ…」

「単なる優形な色男ではなさそうだな。…益々、唆(そそ)られたぞ。」

そいつは怯みもせずに寧ろ好色を増したかに諂ら笑って間合いを詰め、物凄い力でいとも簡単に俺を押し倒した。

「ぐ…!?」

押さえられた肩への圧迫が肩甲骨まで及び、軋ませる。
幼い頃より文武両道の教えを得てきたからか、その威圧を余程と感じて思わずたじろいだ。

「この場に及んで虚勢を張っても仕方あるまい。据え膳喰わぬは男の恥とも言うぞ?」

挑発めかして、くつくつと厭らしく笑う面に虫酸が走る。
俺に言わせりゃ、己の性欲だけで男を襲うアンタの方がよっぽど“女の恥”だがな。

「悪いようにはしない。たんと可愛がってやるから、私に任せておけ。」

「…ふざけるな。…こんな事が許されるとでも思ってるのか?」

「ああ、此の里内では許されている。…何ら問題はない、安心しろ。」

何だ、それは。
此処でならいいなんてまかり通る訳がないだろうよ。
頭がイカレちまってんのか?…この色惚けが。

「セックスなど単なる性器の擦り合いだ。そう大事(おおごと)に考えず、気軽に愉しめ。」

居直ったようにして、己勝手に不条理を肯定する良識の無さには嫌悪と怒りしかなく。この女を俺は心底から軽蔑した。



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あきゅろす。
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