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distance-7

無人と化した街
オレ達以外は人の気配が全くない。


この街に住んでた人達は、みんな避難させた。

場所の指定とかなく
ジエータイが占拠して。
そーしなきゃ守れねーからだった。


そんな
大阪の部隊に配属されたオレは一人だけ特待されてるイタチと住居を共にする。


理由は簡単で単純。


二人部屋を一人で使用してたから。





気になった「うちは」の名字。

訊いたら
やっぱコイツはサスケと関係があってさ。



サスケの兄ちゃん
なんだって。



どうりで似てるハズと納得。


サスケと関係を訊かれクラスメートだって答えたけど見透かされてたみたいで


恋人同士だったけど

オレがこんなんだから


今は心ん中の恋人なんだって話した。




しばらく何も訊かず
言わずだったけど


ある日の夜

イタチはてめーから口を開いた。


跡目を継がなきゃならねー立場なのに同性を好きんなっちまって
すげー反対されて

うちはの家を継ぐコトよか縁を切っても恋人を選んだと話してくれた。


「秘密だぞ……」と明かしてくれたのはサスケのコトが聞きたかったからなんじゃ‥って
勝手に判断したオレはサスケがどんな高校生活を送っていたか
サスケとオレがなんで付き合ったかなんて
夜遅くまで話したりした日もあった。





日々を過ごす中で
色々なコトを語ってくれたり英語を教えてくれたり…

またそれも
みんなに秘密だと
おしゃべりなオレの口を止めた。





同じ兵器だと認識した立場。

同じ人物を想いや関係こそ違うけど、好きで……。


共有する願いと考え方。

だから安心出来る空気と空間。



冷酷な眼差し
落ち着いた物腰からは
想像できねーけど


サスケとおんなじく
あったかい心を持っている。


口数の少なさや気持ちを行動に表せない不器用な部分はサスケに似てて

やっぱ兄弟だな!


なんて思いながら
連絡を取るコトが出来ない恋人から奥さんになった、その人へと想いを馳せ戦線に立つイタチは
オレにとって
人間としても尊敬できるヤツだった。



━━━━━━━━━━


「交換日記、お終い」


「誰と交換日記してるの?」


「うわァ!!!」

肩に乗った顎
聞こえた声に
慌ててノートを綴じる

「サスケ君と?」


まさか見られた?

「サイ…オメー‥まさか、見たんか?人のプライパシーを覗き見したんか?」


「見てないけど、ナルト君がたまに一人でニンマリしたり困った時に良く口に出してる名前だから、そうなのかなって。」


「ま、まァ…そー思いたきゃ思ってりゃいいんじゃねーか?」


「じゃあ思わない。思いたくないからね。
それより、ナルト君に見せたいモノがあって……」


サイに片腕を取られて引っ張られるまんまに歩いてく。



使い途中の塗料缶とハケが置かれたまんまの一基の戦車前で足を止める。



「ほらコレ見て、僕が描いたナルト君だよ。似てるだろ?」

黄色のペンキで途中まで塗られた頭、ニッとする顔。
漫画ちっくに描かれてっけど
言われて見れば特徴からして確かにオレだった。

「戦車に落書きなんて描いちゃダメだろがッ!どーすんだよ、コレ。」


「別にどうしょうもしないさ。…僕のおまもりとして描いただけだから。」


ニッコリと微笑む顔にタジタジんなる。
死神をおまもりにするなんて、へんなヤツ。
「そーじゃなくて!ジエータイのモンを私物扱いすんじゃねー!!」


「おーい!サイ!終わったら俺にも頼むなー‥!!、うわっナルト君!あ…あの、お早う御座います!」


駆け寄ってサイに声掛け、今オレを目にして敬礼するコイツも何考えてんだか……。



「残念ですがペンキの残量がないので描けません。」


急に笑みを消して冷たくあしらうのもますます意味わかんねェ‥。

「負け知らずなイタチの似顔絵のがおまもりんなる気ィすっけど…‥」


「嫌だよ。あんな可愛くない顔なんて描く気しない。僕は可愛いナルト君をおまもりにしたいんだ。さて仕上げなきゃ‥」


もう何も言い返すコトが出来なかった。







戦車に描いた絵が完成したとはしゃぐサイの姿を目に入れる頃、ポケベルが鳴った。



スクランブル発信……

海外派遣(レンタル)は久し振りだ。


部隊長であるイタチに要請されたと伝達し、急遽な事態に向け大阪を飛び立つ。








この後に起こるコトも予期出来ずに日本の領空を突破した。





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あきゅろす。
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