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distance-5



大阪に搬送されたオレは、迎えを待つより察知した敵の所へと足を向かわせていた。

味方との合流するより先に、一つの敵陣部隊を全滅させたくといった単独な判断と行動で…だった。


仲間がいっから力を抑えて街を破壊しないよーにとナルトの姿で敵軍と遭遇する。

何だかワケわかんねー言葉を交す奴らの視線がオレへと集まる。

英語じゃねーな‥、何だかわかんねェ国の言葉だ。


まずはニッコリ笑っとくか。

まさか、こんなガキが敵だとは思ってねェだろーし。

オレの髪や眼の色からして、日本人っぽさはねーから恐らく、油断してるだろーし。


外交は大切にしねーとだし?


「Hello!My name is NARUTO.How are you..」


「NARUTO!?」



多勢に囲まれ一斉に向けられた銃口。
NARUTOはそんなに有名なんか?
へェー、光栄だぜ。

「てめーらコレで全部か?」


引き金を引かれる前に、こいつらの頭を全部吹っとばす!



突然と迫った緊迫感に体内で眠らせてた衝動が覚醒する。


一斉に放った銃弾はオレの身体を掠る事もなく。


辺りには
どいつのモンかもわからねー、肉の塊や脳みそのカケラが幾つも散乱していた。


「最終兵器に勝てるワケねーじゃん。」







脳を破壊したから
痛みは与えなかったハズ。






血の匂いには、もう馴れた。

哀しいとも思わない。


「殺り足んねーや…」




中途半端な戦闘は余計にストレスが溜まる。


イライラしながら、空を見上げると
敵軍の戦闘機を発見!

「見〜つけたっ!!」



跳ね上がる口端…


クツクツ笑う声……――

イライラがワクワクに変わる。


朱翼を背中から突き出して一瞬にして上空へと飛んだ。


てめーら予期してなかっただろ?
オレがいるなんて‥さ。


ホラ…、楽にしてやっから来いよ。



仮にも自衛だと主張しなきゃなんねーんだ、てめーらが攻撃を仕掛けなきゃ、こっちはお預けくらっちまうだろ?




オレに見つかったら、アウトなんだよ…。



そう念じてた時、
いい感じでロックオンされちまって、しめしめとミサイルを放つ。


世界一の速度をなめんじゃねーってばよ!



一気に追いついた途端、空中で分散する機体、一機、二機、三機………と0コンマの秒数後に続く。



機体と一緒にパイロットも粉々……――




なぁ、…痛かった?



痛かねーだろ?




苦しかったか?



そんな間もねーよな?
怖いとかも感じなかったろ?

ロックオンボタンを押した瞬間だったもんな?

意識向ける間なんかねーから
アレ?って感じだっただろ?

よかったな、めでたしめでたしで天国にいけんぞ!お前たち!




ちくしょう…




物足んねー‥






搭載された派手な爆弾をいくつも投下して、たくさんの光りに魂が溶けてゆく、あの空が見てェんだよ、…オレとしちゃあよ。



だけど、最近何だか静かでさ。






こんなちまっこい任務しかなくて苛つく。





やっぱオレ兵器向いてんだな。





流石
世界中から選ばれただけはあるってコトか。



このまま海外派遣(レンタル)行っちまおっかな。



地上に降りんの正直めんどい。

時間とか関係ねーだろーし、後残ってる敵とか、遅れたって何とかなんだろーし。


てか、地上戦とかつまんない。


地味だし、
気持ちわりィもん目にしちまうのが嫌だ……


オレってば、風切って、雲を散らしてってな風に空を飛んでのが好きだかんな。

うん。
やっぱ、先に海外派遣(レンタル)を済ませちまおう。


見慣れたっつっても、あんなグロいモンみちまった後だから余計に空を飛んでいたい。




ステルスよか早い速度を自在に操ってと気分いい。


最高速で行きゃ一時間で着ける。





アジアの大陸地…


あの街もあの国も
いつかはオレが破壊して消しちまう。






わかるんだ……



そーいうの……




最終兵器だから。



大きな大陸を離れて、目的の座標に降り立つと、オレは皆に注目された。



似たような髪の色と眼の色をしたオッサンや兄ちゃん達。




要請した時間は随分と早い到着に吃驚してるみたいだった。
軍を持つ国の一員として助けてはるばる自衛の国からやって来たと簡単な挨拶をしてやっと緊張を解したような笑顔が広がった。


敵を確認して
短い間だけど仲間んなった連中に手を振り、またまた単独で再び上空へと飛び立つ。「ノープロブレム!」ってニカッと笑って。


あの国の首都を消失させんのがミッションだと勝手に決め付けて、派手に暴れてみようか。


もし間違えたって、「つい、ミスっちまった…」だとかな言いワケすりゃあすむだろーし、どーせ、あの国ごと消えんは、もう時間の問題だかんな。



だからさ、いい気になり過ぎんなって灸を据えてやんのもいいんじゃねーかな?



つか、大いにアリ…だろ。



よし、やっちまえ。


そう身勝手に決めつけて、空中でアクロバット飛行を決めながらバラバラと、あのミサイルを投下した。

それから
すかさずソコから数百km離れる。マッハな音速を生かして。





キレー……


光が空に広がる

建物が

街が

沢山の命が一瞬にして溶けていく。







首都だけじゃ済まなかったみたい……



でも
まァ…いいよな。



国土広れェから国として働く機能はまだ残ってるし。


少しだけど―‥…。


生き残った奴ら。
がんばってはい上がってきたら、またオレが相手してやっから楽しみにしてろってばよ。


あ〜、スッキリした!
やっぱ気分いいや。
死ぬ恐怖も痛みもなし、みんな一緒に送ってやれんのって、何かイイコトした気分。


さーて、

ちょっと順番は狂ったけどレンタル終了〜ってコトで、仕方ねーけど、任務だし、あのちっぽけな国に帰っか。

どんなカタチでも
また人が殺せるしな…。


でもさ、
大阪の部隊と合流してどーしろってんだか……。




確かに
まだ敵はいっけど、上層部のオヤジ連中は、オレが地上戦よか空中戦のが好きなんだっての知ってんだろーが。






戦えんのは
ありがてェから、そこら辺は我慢しとくけど、ハッキリ言って足手まといなんだよなあ。陸上ジエーカンの人達って。



もう、時間なんて長かねーんだから、お国のために〜…なんてな考えは捨てて、好きなコトすりゃいいのに。




アジア大陸の半分を過ぎようとした頃、乾燥した風が高くと舞う。



なんか、
のど乾いた……





そうだ黄砂のセイだってば!
……すげーんだよな、この辺。


伐採しなくてもいい樹とか無駄に伐っからメーワクかかんだって、学習しなかったんかァ?
昔のヤツらはよ。




黄砂が体ん中まで入ってきて、マジで喉カラカラ……





すっげー… 水…飲みたい。





…………水、


"薬"飲まねーとなんねェし……





……水、欲しい。









要請された土地に足を着ける。



フラフラと歩く






水を求めて。







ジエータイの
くすんだ草みてーな
色した服着たヤツの背中が虚ろな視界に入る


「……水…、くんねーか?」



「は!はい!自分の水なんかで良ければどうぞ、お飲み下さい、」


奪い取るように差し出された水筒を受け取り
カプセル薬をプチプチと銀色のシートから取り出して口ん中に放り水を喉に流す。


味なんてねーけど
うまい気がして
限りある水分を補給する。



「サンキュー‥、助かったってばよ。」


拳で唇をゴシっと拭ぐい半分以上なくなった水筒を返してやる。


「自分が役立てて光栄です!」




「そんじゃ、見張り頑張ってな‥」



「……ナルト君」


「ああ?ナルトくん‥だぁ…?」


階級わかってて
そー呼んでのかよ、こいつ……

ナルトくん

と気安く呼ばれたのが気にいらねーオレは
背後から聞き取った声に睨みを効かせて振り返る。


「……!!?……」



黒い髪
キリっとして何処か冷たい切れ長の黒い眼……

スッと通った形良い鼻………

整った口元……


似てる……

忘れなきゃなんねー‥
アイツに……





「……お前は……――」

「イタチ部隊長!
お疲れ様です!」




「……イタチ?」



「大阪部隊の長、イタチ。今日から君は俺の部下だ……」

「階級はオレのが上なのに部下ってェのはどーいうコトだよ!」
「なんだ、聞いて無かったのか…?」

落ち着いた喋り方まで何となく似てる…――

「合流ってのは一日だけなんじゃねーんか?」


「ナルトくん、君は此処を撤退するまで此の部隊の一員として配属された…。階級は関係無くとの事でな。故に俺の命令に従った行動をして貰う。辞令が解かれるまで……」



こいつはアイツと違うんだってわかってるけど似てる。


………こいつを見てっとサスケを思い出す。



……逢いたく‥なる。





殺してきた感情が息吹く……



遠くからでいい


声なんか、かけなくていい。
かけて貰えなくていい。


一目でいいから……


逢いたい……




逢えないけど





………逢いたい。





諦めなきゃって
がんばって来たのによ……



「…ちくしょう、何なんだよ‥、一体…」





オレはまだ……――
サスケに

…恋‥‥してた。







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