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地獄

「一つ、訊きたい事がある。」

『何だってばよ?』

「その…地獄の仕打ちってのがどんなものなのか、知っておきたいんだが…」

『オレ知ってんのは地獄のフルコースってヤツなんだけど、それでいい?』

「構わない。教えてくれ。」

『身の毛のよだつ話だぞ?』

「大丈夫だ。」

ナルトは既におどろおどろしくと逆毛を立てていた。
その毛並みを寝かせるかにそっと撫でる。
僅かだが、落ち着いたようにして、自らの頭を俺の掌に押し当て擦りつけてきた。ゴロ…と喉を鳴らして。
次にキチンと座り直し尻尾を立てる。
そうして気を取り戻したかに真っ直ぐと俺を見つめ、兎唇を開かせる。

『肉体にも霊体にも守られちゃいねー、生存の姿をした魂が列をなし荊の道を通ってく。そして地獄の門をくぐるとすぐ、血の池地獄の赤鬼達に捕まり金棒でフルボッコにされるんだ。金棒フルボッコときたら、そりゃあもう痛ェのなんの。で、そのまんま待ったなしで血の池に落とされっと、隙間なく魂体にデッカイ蛭が纏いつくんだ。その化けモンみてーな蛭達に魂の赤液を吸い尽くされんだけど、浸される血池の赤液が魂に染みてくから、干からびたりしねー。だからキリがねーったらありゃしねェんだ。…で、みんな蛭に魂液を吸われ続ける苦痛から逃げたくて向こう岸まで泳ぐんだけど、池から這いあがるコトも出来ねーでプカァと淵に浮いてんだ。そうしてっと地獄の釜戸を守る緋色の鬼達にガバッと頭ァ掴まれちまってな。そんで釜戸の業火へと放り投げられ、朱く太い火柱で焼かれんだよ。』

「それだけでも凄まじいな…」

『だろッ!?、でもコレまだ序盤だから!』

堰を切った如く地獄の拷問の様子を話すナルトの口振りはまるで当人が体験したかのようだった。

要約すると、
釜戸地獄から続いて、針山昇りで魂体を引き裂かれ、その山頂で極限に凍てつき、極寒地獄の風に吹かれては飛礫となって散り散りとなり、下方にある生臭い血の池に舞い落ち。其処での僅かな暖によって蠢き出した魂の飛礫達が集結し、また形成つくり…と血の池地獄からの図式を繰り返すそうだ。

『サスケにこんな思いだきゃあ、させたくねってばよ…。』

ぶるりと身を震わして『絶対に!』と力強く付け足したナルトに「サクラにも…な。」と、とある決意を促した。


その裏側にある
様々な思いは伏せたままに。




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あきゅろす。
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