[携帯モード] [URL送信]

*.・Stare・.*
星空の下



ナルトはと言うと
里の景色など
どうでも良い様子で
額に片手を翳し
相変わらず夜空を見上げていた。

キョロキョロと
何かを探し、うーんと唸る。


「さっきからお前、…何捜してんだよ?」


サスケも気になり
夜空を見上げる


灯りのない丘で
見上げた星空は
吸い込まれる程
綺麗に輝いてた…


「なあなあ…、サスケ。
アレって、ふたご座って奴か?」


指差す方向に目を向けると独特の三星を並べ
赤星を輝かせた台形重なる形が黒い双眼に映った。


「…ああ、アレはオリオン座って奴だな。……冬を標す代表的な星座だ。」

「へぇ〜、やっぱ色々知ってんだな、サスケは……。」

数度瞬き
ナルトがサスケを謙遜した眼差しで見詰める。

その後
両腕を掲げ頭後で組み、再び星空煌めく紺碧色へと顔を向かせた。

「オレ一人じゃあ
全ッ然まったく、わっかんねーからさ。お前、連れて来て正解だったってばよ。」


その為だけに散歩と称して此処に誘われたのかと、嘆息を洩らすサスケを余所に
夜空に大きな瞳玉を
右や左に動かしながら、辺りを見回すナルト。



「…何だかこっからテッペン見てりゃあ、オレでも分かっからって、イルカ先生が教えくれたんだけど……
もう、終わっちまったんかな?、それとも…オレが日にち間違えたとかかも…」



首が痛くなるくらいに夜空を見上げていたナルトが己の足元へと
視線を落として溜め息を吐く。

ふたご座を捜しているは理解したサスケは
気を取り直して
ナルトの肩を一つ叩いた。


「ここからだと、時間的にも真上より下位置にある、アレが恐らくふたご座だ…」


星と月灯しかない側の空へ立てた人差し指の方位を定めたナルトが首を傾げる。


「アレって、ふたごの形なんか?
オレにはそーは見えねーけど‥」


「まァ…星座なんて、そんなもんだよ。」


「ふーん‥、何だか
ずいぶんと適当なんだな?」

「何かしらの由来はあるみたいだぜ。大抵が古来の神話からだと聞いたが、詳しくは知らない…」
「んじゃさ、オレが勝手にラーメン座とかギョー座とか名前作っちまったりしたら
ダメなんか?」


「…お前の頭の中、
ラーメンしかねーのかよ…」

不貞腐れた面持ちで
ナルトを見るサスケ。

ナルトはピキピキと眉毛を動かし下唇を一旦噛み締め、後頭頼る腕を解き両脇下で拳を作りサスケの対面に一歩踏み出した途端、大きな怒鳴り声を響かせる。

「バ、バカにすンじゃねーぞ!コラァ!!
確かにラーメンは大好きだけど、んなラーメンばっかワケねーだろがッッ!!」

サスケの幅広げる立ちた襟をガッと掴み睨み付けた。フンと小馬鹿にしたようなサスケの普段見せる高笑みが
何故か癇に障り、
何故サスケを
この場所に連れ出しか今にも口が滑りそうになってしまう。

「オレだってな!
オレだって…こう見えても、ちゃーんと…――」

「…ちゃんと、何だよ?」




怒りに沸騰してサスケ襟首を掴み上げる、ナルトの頬が微か染まった。
サスケが己へと訊ねた声を発した時、
吐息を至近に感じる程、顔を寄せていた事に気が付いたからである。


パッと両手を離してサスケを開放し距離をつけソッポを向く。

再び後跳ねる金髪に片腕を畳みやる。
余した手の指先で
ポリと頬を掻くとナルトは小さな洩息を静寂な空気に混ぜてから小さな声を付け足す。


「――……サスケのコトも、考えてるってばよ‥」



全く予期してなかった恋人の言葉に、はっとしと大きく黒瞳を見開く。


その瞬間、

空から一筋の閃光が走った。


[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!