[携帯モード] [URL送信]

*.・Stare・.*
夜の散歩
平常心を取り戻したナルトが
ハッとして顔をあげ、
こめかみをポリと指掻く。


「あっ、そっか!
そーいや、そーだったなッ!うん。
オレってば‥つい時間なくて慌てちまってさ、…悪りィな、サスケ。ああッ!!」


「何だ、…今度はどうした?」


「そーだッ!
お詫びに夜の散歩に付き合ってやっから早く靴履いてこいよ!」


「………――――
…ああ、今行く。」



理由は解らないが
どうしても
散歩に行きたいらしいナルトに誘われ靴履き、玄関から外へ。



「サースケェエ―ッ!」

庭から玄関に回った
ナルトが駆け寄り
ズボンのポケット両手を収めるサスケの肘を掴み急く。


「里が一望出来る、
見晴し台まで散歩だかんなッ!」


ニィッと歯を見せ
糸目を吊らせて笑う。

サスケも釣られて
頑なな表情を僅か崩し、
フと息を洩らして笑った。
「そんじゃあッ
出発、しんこ―‥だってばよ!!」


目的地へ向かう
ナルトが足を進める

決して散歩とは言える悠長さは無く、
どちらかと言えば
駆け足と言えた速度で突き進む。



何を
そんなに急ぐのか、
未だ理解不能であったがサスケは敢えて問い掛けはせず、

ナルトの背中を追って告がれた場へと道を急ぐ。



幾度か澄んだ夜空を
見上げるナルトの背面を目にし
天気でも気になるのかと、首を傾げた程度の疑問を抱いて……






斜面着く獣道を近道として樹々を渡り、
木ノ葉の里にある高台の丘に到着する二人。

木柵の向こう側に広がる小さな灯を眺めるサスケ。



長屋二階にあるナルトの家と、直ぐ見付かる高塀に囲まれた己の家を其々と発見し
俄かと静穏に笑んでいた。





[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!