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探検うちはンち
意外な来訪者

それから冷めた苦いお茶を一気に飲み干し湯飲みを卓上にコトリと置いて口を開く。


「…ジュゴンって人が好き。」


「そのジュゴンって奴とチョメはどんな関係か聞いてもいい?」


「…ホットでリミテッドな関係」


「そっか、がんばってな!」


ニコニコとしてチョメにエールを送るナルトはこの時、恋愛に関係なくチョメの幸せを願っていた。





「カカシに鳩を飛ばしておいた。返答はまだ来ないが…アイツの事だ気長に待つか……。」

会話が一段落した時、サスケが居間に戻ってきた。


「カカシ先生だかんな…、そうすぐには」


ナルトがサスケに返答を刻む途中、窓際に白煙が上ったかと思いきや、黒い外套纏う男が現れる。

「またカカシさんに頼るとは……ナンセンスだ。」

「……イタチ‥!」

「わっわわッ!何でオメーがココにッ!」

「えっ、なになに!」

騒然とする最中、
サスケと似た顔の男だけが落ち着いた様子で佇んでいた。

真ん中に分けた長い前髪を邪魔そうに指先で払う姿がナルシーに思える。

「団子は旨かったか…?、…ナルト君。」


その男の問い掛けにキョトンとした目でナルトが答える。

「イタチが…‥買って来たんか、さっき食った団子…‥」


「否、買って来たのでは無い……。鬼鮫が拵えたのだ、手土産にとな…‥。」

平然としてチョメの隣りに腰を降ろす、この男はイタチと呼ばれているらしい。名前なのかあだ名なのかはチョメには解らない。
唯一、解るのはイタチは二人に歓迎されていないと言う事と、サスケに似た顔は、何かしらのサスケと関係があるのでは…と予測が出来る事であった。



「あの…、お邪魔してます…。」

予測から、チョメがイタチに声を掛けると、外套のホックを外して高襟を崩し、チョメに薄笑みを向けた。

「…ああ、何も御構い出来ませんが、ゆっくりして行って下さいね…」

まるで我家のように寛いでいる様子と口振り。サスケの視線の鋭さとナルトの呆れたような視線を、別段何とも思わず平然を保つイタチは、やはりこの家の家族だろうとチョメは確信する

「…イタチ、何故アンタが此処にいる?」


「…此処は俺の生家だ。里帰りをしても可笑しくは無いだろう。」

「良くそんな事が言えたな…。」

「…それより、少し背が伸びたか?」

「…ふざけるのも大概にしやがれ。」

「特にふざけてるつもりは無いが……、サスケも座ったらどうだ?」

「そんな悠長にしてられるか。俺はアンタを憎み怨み…‥そうやって生きて来た‥」

「……‥そしてナルト君と結婚し、うちはの血脈を紡ぐ事を断ち切った…――。とでも言うのか?」

「…それとこれとは話が別だ。いいから早く出て行け…!!、俺はイタチ、アンタを兄とは認めちゃいない。うちはの敷居を跨ぐ事も許してはいない…」


「…敷居はまだ跨いで無いぞ。何故、瞬身の術を使ったからな…」

「てめェ…、俺をおちょくる気か?」


冷静沈着を保ち淡々と語るイタチとは真逆に怒りを見せるサスケの眼光は鋭さを増し、瞼を閉ざすと闘気を剥き出したような紅い色に変わった。




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