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探検うちはンち
お茶
「サービスしすぎだ、…馬鹿。」

そう言い渡して
気を新ためた様子で
巻き物だろうかを手に持ったサスケが卓袱台を挟んで対面に腰を降ろした。

物静かに紐を解き
書物を広げ、両肘を着きながら切れ長の目を字面に走らせる。


一方、台所ではけたたましく茶器を用意する音が聞こえる。


時折、チラリとナルトの方を見る黒い瞳が印象的で二人の仲の良さを感じ微笑ましくなる。


「ヘイ!お待ちィ!!」

お盆を持ったナルトが乱雑にトンとそれぞれの席前にお茶と団子を並べる


チョメ側へと置かれた湯飲み茶碗とは違う揃いの湯飲み。

恐らく夫婦茶碗だろうと想定するとチョメの顔から笑みが漏れる。


「いただきます。」

「あっちィから気ィつけてな。」

湯気の立つ湯飲み持ちふぅ‥っと息をかけ
冷まして一口啜る。

「苦ァーー‥!!
!!」

「だっ!大丈夫かっ!」
危うく噴き出しそうになったが何とか飲み干し渋い笑顔で取り繕う。

「大丈夫‥。お…美味しい、ありがとう。」

「チョメはお客さんだかんな。いつもより、お茶っ葉どーっさりでサービスしてやったってばよ。」


サスケの言う通り
サービスしすぎだと思うも笑うしかないチョメの対面で
それを文句も言わずに静々と飲むサスケは凄いなと感心付け、
味を整えるためと三色団子の串を持ち口に運ぶ。


「お団子美味しいね!」
「木ノ葉の里にある甘栗甘の団子だと思う。アソコのは絶品だかんな!、それよか、一楽のラーメンのがうまいぜ!マジで世界で一番うまいんだぞっ!」

「へぇ‥そうなんだ?今度食べてみたいなぁ‥」

「イルカ先生って忍者学校の先生連れてくっからそん時にでも一緒に食いにいこーな!」
「うん!」

ナルトは色々と木ノ葉の里の様子と世界観を話し、会話が弾む。
気心が知れると心地よい。


「俺のも食っていいぜ…」

サスケが自分の分の団子を器を滑らせチョメにさし付ける。

「‥それはサスケ君の分だから…‥いいです!」

「…甘い物は苦手でな」
「サスケはトマトは好きだけど甘いモンはキライでさ。一応、買って来てくれたサスケにもカタチって感じで出してやっただけだから、遠慮しねーで食っちまえよ。」

「俺が、こんなもん買うかよ。ナルトが買って来たんじゃねーのか?」


「いや、オレも買ってねーって。朝起きたらテーブルの上に置いてあったから…オレはてっきりサスケがって――‥、あッ!じゃあ‥もしかしたら、イルカ先生が来たんかも!
カカシ先生だったら野菜だし。きっとイルカ先生だってばよ!」

納得としたサスケから安心して団子を受け取る。


「…ありがとう、サスケ君。」

瞬きで礼を受けたと実感しナルトと二人で団子を頬張る。



食べ終わった頃合
懸念な面持ちで巻き物を丸め直し紐を結び綴じるサスケが落胆したかの溜め息を流した。
「悔しいが、やはり俺ではどうにもならねぇ‥」


「時空忍術はムズカし過ぎっかんな。今はまだ無理に決まってるって。」

「あの目を持っていれば容易いのだが……。」


「…オレを殺してみっか?」


「馬鹿言え……」


いきなり空気が重くなる。何か訳有りみたいだけど口を挟めない。
けれどソレも次の瞬間にまた一転した。

「へッ…そー簡単に殺されてたまっかよ!
オレん中には化けモンもいるんだぜ?
…それに、未来の火影を甘くみんな、ボケ!!」


「フン…」

金色の髪を撫でるサスケの手付きは優しいと見ていても伝わる。

暖かい空気に戻りホッと息を吐く。




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