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探検うちはンち
エピローグ<真相編>
カカシはイタチの仕掛けた指術には嵌まらず現況に居残り、
仕組んだトラップにチョメを掛け、そして恰もとした場を設けた主はイタチだと察していた。


そうなる事をイタチは恐らく見越していただろうと見極めつつ、残った者同士でサスケが拵えナルトが手伝いチョメが頼んだ食事に箸を進めていた。


「イタチ、お前もこーんな手の込んだ事して迄、サスケとナルトの二人に会いたかった訳?」


「カカシさん、俺はサスケとナルト君には厭わしい存在です。特にサスケには……、貴方も御存じでしょう…?」


「ま、此の里にとってもお前はお尋ね者だしな。…で、どうなの?、お兄さんとしての家庭訪問は…‥」


「……――そうですね。何不自由なく二人で慎ましやかに暮らしているようなのと、サスケもおかかのおにぎりを旨く拵えられる程、成長したと知り安心しましたよ…」


「ふーん‥、まあサスケは元から器用だし、一人暮らしも板についてたしな。飯くらいは作れなきゃ‥ね。でもイタチも素直じゃないよねぇ。
ホーント、無駄に写輪眼まで使ったりもしちゃってさ。」


「……無駄ではありませんよ。有効に使ったつもりですが…――」


「あ、そうなの。
それにしてもチョメに余計な術を掛けたのは良しとして…アイツ等の記憶まで操作する必要なかったんじゃない?。
お前は身内なんだしね。家族がいなかったナルトは喜ぶと思うけどなぁ。サスケと仲直りしてたまに実家に遊びに来るようになったりしたらさ‥。」


「其れでは一族を抹殺した意味がまるで無くなります。…サスケだけでは無く…‥――ナルトくんに、そしてアナタ達、木ノ葉の者に取っても同様、悪漢とした側でなければ……。」


「…お前とはどっちにしろ、あの日から敵対する立場になったからね。」


イタチは此以上、
カカシが話かけても口端を持ち上げ相槌を打つ事のみで返答を返し寡黙にて淡々と箸を進めていた。

失ったチャクラを逸早くと修復するかの様子で料理に舌鼓を打つイタチを詰まらないとしたカカシは教え子の料理を美味と摘みながら遂には辛抱ならずと調達した麦酒を呷り、イタチにも勧めるが『成人では無いから』と断られ拗ねた様子をみせる。

姿勢を崩さないイタチはカカシを余所に苦く冷めたお茶を口に含みつつ、物静かに実弟と義弟が用意した物を食す。
食後、少しの間
瞼を閉ざして壁に寄り掛かり休息を取り、チャクラ回復に赴く。


暫くした後
双眸を開きカカシへと視線を向ける。


「…さて、…そろそろ組織に戻らねばならない。済みませんが、お先に失礼します。」


立上がると食べ終えた皿を台所へ運び置き、菅笠を被った後、印を組み瞬身の術でイタチが消え去る。


一人残ったカカシは麦酒を呷り、時空忍術を得意と操っていた恩師を念頭に思い浮かべていた。

「まさか、自分の残した遺産が、うちはの家と……――、いやいや、男同士で結婚しちゃうなんて、先生は思いもしなかっただろーね。でも、何だか幸せそうだよ。ミナト先生…――いえ、四代目火影様‥。あ!もしかしたら、もうとっくに覗きに来てたかも。時空忍術はお得意だったから…――。そーだったら面白いのになぁ‥。」

麦酒を飲み干すと
拳で口を拭い微酔い気分で立ち上がる。


「さて、と
サスケもナルトも居ないしイタチの気配もない。二人の指導者である俺としては色々知る必要があるよな。」


ふーむと顎下に片手を添えて二階を見上げたカカシは、何かに閃きポンと手を打ち鳴らす。

「あくまでも教育者の一貫として…ね。」


階段を昇り、サスケとナルトが使用する寝室へ踏み入れたカカシの片目がキラリと光る。

「‥寝室探索――‥始め!!」

カカシが何を求め
部屋を探索しているのかは、御想像に任せるとして…
主なるゲストであったチョメよりも、イタチよりも
二人の家をこよなくと満喫し探検したのは
カカシだったのかも知れない。




<おしまい>






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あきゅろす。
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