探検うちはンち
嘘も方便
見た事の無い顔や姿を片目に映すと「初めまして。」と微笑みつけチョメに挨拶をする。
チョメも微笑みを携えカカシに「初めまして」と挨拶した。
「どーも。もしかしたら、サスケやナルトから話は聞いてるかも知れないけど、俺が噂の木ノ葉の技師はたけカカシだ。以後宜しく…――」
口布の下で笑型を作り、先にカカシが名乗りをあげた。
「チョメです。コチラこそ宜しくお願いします。」
手を止め丁寧にお辞儀をするチョメをコチラへと手招くカカシ。
夕飯の支度を手伝っている途中であるチョメは首を傾げ困惑を見せる。
「アンタはもういいから、カカシのとこへ行き事情を話せ。」
「オレとサスケに後はバッチリ任せてそーしろって。」
快諾して頷いたチョメはカカシの対面に座ると何気にイタチを交えて今までの経緯を話し始めた。
「……なるほどね。
まあ、誰が何の為に時空忍術のトラップを張ったかは追々調べるとして…、まずは帰る方法を見つけなきゃだな。俺も時空忍術を使えると言えば使えるが、確定した時代に……と言うのはちょっと自信がないなァ‥。
ま!賭けに出るって言うなら今すぐにでも準備するけどね‥。」
腕を組み苦笑するカカシの対面で肩を落とすチョメはまた違う世界に飛んで行く事を当然ながら恐れ、それなら此方の世界で、
木ノ葉の里で暮らした方がいいと願っていた。
「…俺なら可能ですが。」
イタチがポツリと漏らすと一斉に視線が集まった。
「そうだ、イタチ。お前の万華鏡写輪眼を使えば確実に元来た世界へと転送する事が可能。ここは一つイタチに活躍して貰いたいけど…どう?やってくれる?」
「フ…、カカシさんの頼みとあらば聞いてあげたいのも山々ですが、…此の眼はアナタも御存じのように体力や視力も底計となく使ってしまう…。
献血に協力した時でさえ菓子や飲み物が出ると言うのに、何だかお茶も出されず、歓迎を受けない様子……。故に此の場では活用する必要は無いと示されているのでね。…残念ながら協力は出来ませんよ…」
何を言いたいかを察知したナルトが慌てて苦い茶を淹れ、イタチのへと差し出しニッコリと笑い諂う
「イタチ兄ちゃん、ごめんな!オレってば兄ちゃんは義の兄ちゃんだと思ってたから、特にもてなさなくてもいっかな〜、なーんて、つい甘えちまってさ…。ホント悪りィ‥‥――」
兄扱いされたのは幾久しく、イタチ兄ちゃんとの言葉に内心、感銘するイタチが湯飲み茶碗を持ち漸く出された茶を一口啜る。
「…茶柱が立っているが?」
苦い味は何とも思わない様子で茶面を眺め問う。
「それは、シャイなオレの口に出せない気持ちの表れだってばよ。」
「……そうか。しかしサスケは…」
「あ、…ああ、ホラ、サスケってさ、義兄ちゃんもよく知ってると思うけど、ツンデレタイプだろ?
んで、何だか鬼鮫家畜攻めとか目指してっから、ヨケーに意地悪で素直じゃあねェ。
けど、夕飯で義兄ちゃんをもてなしてェって、それでそーしてイタチにホントの気持ちを伝えよーって…さ。アイツなりのサプライズな、ようこそウェルカメで……、そのワザと邪険にしただけなんだ。さっきサスケが目でオレにそー合図してきたぜ!なあ!サスケッ」
一連を聞き流し調理にをするサスケは振り向きもせず、背中のうちはマークを震わせていた。
イタチはサスケ料理に勤しむの背中を一瞥しナルトの話を鵜呑みにしつつ。
「ツンデレと言う語彙が消え失せつつある最中、未だそれが流行っているとでも思っているならば…ナンセンスだぞ、…サスケ。」
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