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マダラ


事の起こりを何も知らない風影はダンゾウが先手を打ち、巧く計らった頃だろう。



そろそろ…か。



暁が下した指令にサスケが背かなければ現れる。

イタチの仕向けた天照はオレにしか発動しない筈。そう憶測して同じ血継限界を携えるダンゾウの元へ向わせた訳だが、さて如何なる結果となる事か……






オレの考えはこうだ。
先ずサスケはダンゾウをターゲットとするが雷影が奴のサスケの姿を見た途端、襲いかかる。
復讐と銘打ってな…。
水影に仕立てたあの女を見た水月は茫然とし一瞬、無防備となり立ち尽くす。

暁と五影達の関連を知ったサスケは仕組まれた事態に翻弄され、天照やら雷雲を呼び寄せる独自な術を仕掛けて来る。チャクラの許容範囲を超えてな。



厄介な小娘は亜空間に捕らえ我々で存分に利用し、重吾は土影に任せて動けなくした後、洗脳させて暁に貢献させよう。
まあ殺しても問題は無いが利用出来る物は全てといった感じだ。


サスケは一切の力を失った時、もしも我等に賛同したとしても決して自らを犠牲にはしない。



サスケはオレに対して酷く反抗的なのは最初から知れている。

オレを
暁を
利用しようとする腹が見え見えの浅はかな思考は読めていた。

だから、期待などは毛頭していない。一興として投じたのみ…だ。

そう容易く
目論見が上手く行く事などはそうそう無いし、其れでは詰まらぬ。

そもそも最終段階に向けての運びも侭ならずの状況、八尾を取り逃がしたのだからな…。

しかし其れで良い。


木ノ葉にペインを差し向けたのは九尾の捕獲よりも里の崩壊と陣営を手薄とさせる為と柱間の子孫を火影の座から降ろす事が目的だった。
自来也を失った現在、火影の条件を満たす者は居ない。
千の技を持つカカシもペインに敗れたばかりとあっては誰も納得しない。
ペインを倒し、里の衆に認められたナルトは力はあるも未だ下忍であり、千をの術技すら体得しておらず、経験も少なく世間知らずだ。
ダンゾウが名乗りを挙げても文句は言うまい。

火影になる事もそうだが、更に溯ったならば長年、待ちに待った究極の写輪眼が手に入ると思っただけで何とも言えない高揚感に見舞われる。



籠目紋の線形を持ちて神聖と魔が渦巻く、あの眼が百年の齢を重ねし時を経て愈々開化するのであるから仕方ない。


サスケは生まれし頃より我等の糧。

イタチがサスケをどんなに護衛しようとて其れも範疇の内であった。


我々は左の隻眼を共に交換し歳月を過ごして来た。

“うちは”の名を捨て世の裏側に潜み根を張り巡らせて……


つまりはオレも
弟思いの兄だと言う事だ。




…写輪眼を持つ者
同じ写輪眼を持つ者にしか殺められない…


サスケが瀕死となろうが止めを刺せるのは我等のみ。また逆も然り。

しかしサスケはまだ弱い。





張った罠に翔び立ったばかりの獲物が引っ掛かるか否か……


ゼツが招いたに違い無い複数のチャクラを感じるが如何に。



いずれにせよ、世を統一するのは、此の“うちはマダラ”である。
今は、トビとしてうちはマダラを語り、月の眼計画を立てるイズナもまた、オレの道具でしか無いという事だ……。




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