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イタチ

サスケは矢張、
見込んだ通りに開眼した。






「お前の其の眼を我が手中に納めよう…‥。此が呪縛を背負った俺達兄弟の宿命…――」


先程の天照で両眸の視力をほぼ喪ってしまった故に、苦戦を強いるのは当然…―――


現在のサスケは俺よりも有利。


攻撃を仕掛ける気配とアイツのチャクラを四感で模索する。



両眸の事を悟られてはなら無い、
………‥‥決して。


弱点を知られては益々と不利になるのでな。





鬩ぎ合う攻防、
至近となった時がチャンスと窺い立てる……。



確かに感じる…
体技のみで挑戦して来るサスケの足、拳……



罠に掛かったと許りに見せ掛け接近し追い討ちをかける。



月読の中での出来事は実際となるのは最早
時間の問題…‥





例え
視界は失せしとしても力は未だ俺の方が優って居る。




瞬発力も……だ。








傷付いたサスケの腕を以前の様に圧し折る。

「ぐあッ……!!」


流石に以前程は喚かないが額に流れる油汗で痛み具合が識れる。




「…その眼を永遠の物とするに相応しいのは御前よりも、…此のオレだ…。」




取り押さえた
逆の手付きを抉る形へと象り


サスケの眼球へ………

































血飛沫が吹く……











微かと錆びた鉄の様な独特の臭気が漂う……













「‥ぐ…………――」










「……言っただろ?
オレに見えるのはアンタの死だけだ、とな。」



潜ませたチャクラのみで瞬時に妖刀を掴み、同刹那の間合いで口寄せた蛇を使いオレの動き止め、更に千鳥を宿した剣で攻撃をするとは……―――








もう、…余力は無い。






確か他国の人類創世期たる神話では




弟は兄に殺された……





……邪心と憎悪と己の野心から――…‥







その逸話は
宛てらマダラ達、兄弟の様に思えた……








オレは其の逆を最初から仕組んだ………







サスケには気付かせず、順調に……な。








恐らく、お前は
オレとは違う方法で
その眼を手に入れたのだ。





光と影が必然とする
世界……





裏が在れば表も必ずと存在する……





闇の呪縛に彩られた方法の裏に記されては無かった


万華鏡写輪眼を手に入れる別法……





マダラの弟である
あの方と同じ……――





サスケ、お前には
未だ知らない事実がある。





幾つも…だ。







果たして此の事柄に気が付くのは……







何時になるのか……







それは
お前が全てを終えた時、だろうか…。










一体






サスケ、お前に…――




本当は何を
超えて欲しいのか……




伝えずに








此の侭、
お前に此の眼球を差し出そう……。









それが「鬼にもなる…」と、お前に伝えた
兄としての流儀だ。







喉奥から
湧き上がる錆びた朱色吐き流しつつ
言辞をのせよう……





オレの確固たる復讐を
お前に託す為……








「…決着は……ついた。……早く…此の眼を奪え。……生体反応がある内、に…‥――」





でなければ
確認出来ずとなる…――。






それでは
オレが困るのでな…。











「最期に訊きたい。
……九尾はナルトと供に滅びたのか?」






「それは、いずれ理解る筈………――」







サスケに似せた声を伝達させて置いた。







その結果がやがて……





「…サスケ‥…―――」

手招いてから手探りで弟の髪を掴み、耳元でゼツには読み取れぬ死角を作る……‥







「…‥マダラを…必ず倒すには…………――」






先にサスケに向けた指を己の眼球へと運び


的確に抉り取る……





痛みは麻痺してるが為か無きに等しい……






「……此…を……以て……挑め。………マダラに…―――ぐふ!」






サスケの片眸瞼へと宛いながら……――







遠退く意識







オレを支える圧し折った腕に身を傾ける。















…サスケ……







御前を生かした意味は………オレを…―――





そして此の世の終焉となる迄に








奉る者を冒涜とする







マダラを必ず……――



































……此の闇の先は









天国も地獄も無い








唯の空白……―――













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