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重吾
サスケのチャクラが消えたと香燐が言った。



慌ててサスケのチャクラが残る場所へと駆け付ける。





先に居たのは水月で

サスケは傷だらけで
その場に座り込んでいた。





大きな蛇の死骸…――

これは確か大蛇丸が
可愛いがっていた蛇。

名前はマンダ…だったかな。





可哀想そうに
痛かっただろ?



もう、誰の言う事も聞かなくていい。


ゆっくり、おやすみ。

オレは
そう心の中で呟きながらサスケ達と移動する前に大きな蛇の頭を撫でた。





宿に到着するとすぐにサスケに手当てを施した。


布団に入るサスケを休ませている間
小鳥を呼び寄せ、暁の情報を集めた。



鳥達の話からすると暁はいいイメージではなくて。


やっぱり
そうなんだと頷く。




その事を伝え
これからの行動を話し合っていた時
香燐と水月がいつものように……





そのやり取りを見て
思わず血が騒いだ…


取り押さえるサスケの眼……
オレはオレ自身では
この災いを治められない。


だから自ら幽閉を望んだ。



サスケはオレを変えてくれる…

衝動を抑えてくれる


オレを必要だと
信じさせてくれる眼で……。





チャクラを果たし
座ったまま眠り就いてしまったサスケ。



謝った声は聞いてくれたのかな?




眠ったサスケ横にする水月。
それを遠目に入れる。



サスケは大蛇丸を悪い奴だと思ってるみたいだった。



だから殺したんだ。



暁も、サスケが退治しようとしてるイタチも
きっと悪いヤツ。










サスケが眠りに就いてから何時間もの時間が過ぎた。


買い物に出た香燐の
帰りを待つ間、
窓辺に座って小鳥達の話を聞き
そうしながら
色んな事を考えていた。





君麻呂は大蛇丸の事を自分を本当に必要としてくれてる良い人だと思ってたみたいだった。

サスケとは違って。


君麻呂は牢獄から自由を求め、自分の存在を素晴らしいと説いてくれた大蛇丸を崇拝していた。

君麻呂の一族が持つ力は、恐れられ孤独を強いられていた。

奪われた自由の中で
自分の存在を呪わしくとしていた君麻呂は
オレと似た思考をしていたんだな、と共感する部分があったからなんだろうか。



オレは君麻呂の話を聞くのが好きだった。




何の為に生まれてきたか。と言う途切れの無い疑問を払拭させてくれる君麻呂の声。


この呪わしい別の人格を作る血を呪って忌み嫌い閉ざしていた心が話を聞いていると唯一和んだ。


君麻呂は
こんなオレを友達だと言ってくれた。



嬉しかった……
初めて出来た友達。





君麻呂の病弱な身体は蝕まれ、

君麻呂に会える時間が減った。


気がオカシクなって暴走を繰り返しては
宥め、オレは自分を殺したいとさえと思う日々が続いた。


冷たい牢獄を望んだのは誰一人殺めたくないからなのに

化け物の血が騒ぐと
誰でもいいから殺したくなって
腹が減ったらご飯を食べるように
当たり前に…

人を傷つけてしまう。

いやだ‥
こんなのは嫌なんだよォ!

誰か助けてェ‥…


気持ちが衝動に負ける

叫んでも届かないのは辛かった。


君麻呂は
そんなオレにも感謝していると微笑んでくれた。

オレのおかげで
もっと強くなれた、
大蛇丸を守る為とされた者たちも
呪印の力……つまりはオレのこの力で強くなれたのだと。


後にオレの力が皆の為に役立つだろう…と。


だから
己をそんなに嫌うな…時任せに己を信じていれば良い‥と。



そう、君麻呂が大蛇丸を崇拝するのと同じように、オレはそんな優しいコトバをかけてくれる君麻呂を必要として強く信じてた。




君麻呂の心に鬱積したモノを取り払って
目的を作ってくれたように君麻呂がオレにもそうした何かを与えてくれた…――


君麻呂は
大蛇丸に吸収されて
一時でも元気になれる事と大蛇丸の役に立てる事を心から望んでいた。


「意識の全ては大蛇丸様の物になっても
大蛇丸の中にボクは住んでいる。そして君に会いに来るから、また話そう。」

その言葉を聞いてから時がどれだけ経ったか知らないけど

やっと
君麻呂に会えた。



悲しそうな君麻呂…

病気だから
大蛇丸の役に立てないと伏せた眼……


君麻呂の代わりに
選ばれた「天」の呪印を持つ者を招き入れるため、邪魔者を排除しに行くと告げた血色のない唇…

薄色の緑の綺麗な瞳
が哀しそうだった。


君麻呂の夢は
サスケとか言う奴に継がれるらしい。

サスケを守るのが大蛇丸へのせめて物の恩返し。


だからいつか
サスケが此処に来たら、サスケの話を聞いてサスケの言う事を聞いて欲しい。
サスケは僕の代わりでありサスケは大蛇丸様の代わりなのだから…

と君麻呂は何か先を見つめているような遠い眼をして微笑んだ。




それから
何日かが過ぎた…


何ヵ月…


何年……



君麻呂の姿が見えない…―――


君麻呂は元気なんだろうか……



毎日思っていた。

サスケが現れるまで……――







「追っ手が来たぞ!
どうする?」


香燐が帰って来た。


騒がしさが戻る。


次の場所へ移る準備をする。




オレはサスケの命令通りに動き


香燐の提案に協力した。


なんで香燐がサスケのボロキレとなった服を持っていたのか?

という疑問を流して。



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あきゅろす。
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