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あのこが欲しい


「欲しいわ…、欲しい…サスケくん…。」

今をときめくアイドル“君麻呂”を始め、シノ村動物園で活躍著しい“JU-GO”や、アキバ系人気アイドル“香燐”との共演ドラマ“魚男子”で一躍人気俳優になった“水月”に、若年ヴィジュアル系バンド“Gate”、お笑い芸人“ザクとドス”など、十代の少年少女ばかりを集め、それを世に排出した敏腕プロデューサー兼社長の大蛇丸は、今日も“業界シンクタンク”と呼ばれる片腕のカブトの目を盗んで、此処『木葉学園』の校門の陰でうちはサスケが校舎から出て来るのを最新型カメラを片手に、今か今かと待ち構えていた。

「来たわ…」

獲物が望遠レンズに映ればシャッターを頻りなく圧し、唇を長い舌で舐め擦る。

「着崩した上着やYシャツが今日も決まってるわよ…、サスケくん。」

ほう‥と惚けた溜め息を吐き出して、レンズを覗く大蛇丸はほぼ毎日の様にこうしてサスケの姿を追っていた。若者が集まる繁華な街で彼に声を掛けてから…ーー。

「ちょっ、待てってばよ!、まだ靴、履きかけなんだからさ。」

「…早くしろ、ウスラトンカチ。」

片足立ちで立ち止まって振り返った彼を追いかけながら、突っ掛けた外履きを直す、この金髪の少年までもフィルターに収まるのも毎度の事で。サスケの言動から、此方の少年の存在を把握していたが、その二人の距離感のなさに大蛇丸は何時も敗北感を感じていた。

「またナルトくんも一緒なのね…。でもいいわ、必ず奪ってやるから…」

ククと笑い闘争心を掻き立て燃やす。
ゲイ歴の長さと常に独自の美容法をもってと、タチであるサスケを手に入れるべく術を既に彼へのファーストコンタクトレンズの時に施していたというのも有り、直に己が有利になると確信して薄ら笑い。サスケへの思いを馳せて目まぐるしい妄想へと耽り出す。





「ふふ、どうやらクスリが効いたようね…」

「クッ…!」

私のベッドの上には、上等なブランド物の絹のスカーフで、手足を縛かれたサスケくんが仰向けになってて反抗的な瞳で私を睨む。
そんなサスケくんの衣服を丁寧に脱がして、クスリの作用で身動き出来ずに露わとなった彼のぷるぷるな肌を舐め捲り、バッキバッキに硬くなった若鷹のうまい棒を、私のナカに………

「硬いわ、硬い…サスケくん…」

「くあぁっ‥!!」


彼の上で踊るベリーダンスは最高と腰をフリフリグリグリしてあげるわ。

だから、だから‥…
サスケくん

「ちょーだあああァァァァーい!!!」


「んなに大声ださなくたって、欲しいんならやるってばよ。」

大蛇丸が我にかえると黒色の包み紙なる飴玉を乗せた掌が目の前に差し出されていた。

「へへッ、残りモンには福あるっつーかんな。もしかしたら当たりかも知んねーぞ。」

ニコニコと朗らかに笑うナルトの笑顔が夕陽に照らされ、大蛇丸の瞳に反射する。

「それじゃあ遠慮なく頂くとするわ。ありがとう、…ナルトくん。」

妄想より発してしまった声で得た、大きな飴玉を早速と口に放る大蛇丸は、明るく元気な笑顔を己に振り撒くナルトにも、凡人とは違う光るオーラを感じ取っていた。



私の趣味とは違うけれど、ナルトくんも案外イケてるわよね……。カブトに相談してみようかしら。


「…!!?、‥〜〜‥」
口内に広がった酷い酸味に顔の中心へと力篭もり歪み寄る。大蛇丸の酸っぱい顔を眺めナルトが瞳を輝かせる。隣にいるサスケも眉を顰めて此を見やる。

「来たんかっ!」


「な、…何なのかしら?この飴‥、何だかとっても酸っぱいのだけれど……」

「それは大当たりだったからだってばよ!!」

「大当たり?」

何の事やらと首を傾げ唇を窄める大蛇丸は、二人が己に注目している視線に若干酔い、軽い妄想へと……ーー

見てるわ…、見てる。若くてカワイイ男の子が私を……――。特にサスケくんの悪怯れた笑顔はクるわね。
嗚呼、それだけで私の身も心もエクスタシーゾーンに突入よ…。そしてファンタジックな熱に爛れて、アナタに溺れてしまう…。


「そっ!大当たりなスッパビック飴を食った日は超ラッキーデーでハッピーデーになるって言われてるんだってばよ!」

「スッパビッグなモノが私に大当たりして超ラッキーでハッピーに……。そう、それは素晴らしいわね…。」


サスケくんのスッパビッグな液が私の口の中に沢山……ーー

「あら、軽く噛んだら余計に酸っぱい液が……――ッ!」

そのチャンスをくれたナルトくんが今、…ビッグなモノの裂け目から放出された液で顔を歪める私をにこやかな眼差しで視ている…。心の奥にSな素質を隠して…

「よかったなッ!」
ナルトくん…
その快活な表情の向こう側で私を見ないでちょうだい…。私はもうサスケくんの虜なのだから……。

「ええ、…とても悦かったわ。…ところでナルトくん、あなたもサスケくんと一緒にアイドル目指さない?」

私ったら、ナニをこの子に期待しているのかしら……。
フフ、でもナルトくんの私に向けるジェラシーストームな螺旋に巻けれてみるのも、愉しそうだわね……。

「サスケも一緒かァ。うーん、…どうしょっかなァ〜」

「オイ、待て。俺は了承してないぞ…。」

「一楽よか、うまいラーメン食えるんか?」

「勿論よ。何だって食べさせてあげるわ……」

私をラーメンのように啜り食べてちょうだい。サスケくんと仲良く……――

「俺は断るぜ。」

「オレはアイドルってヤツになってうまいラーメン食うってば!」

「本気か、ナルト…!」

「オウ!!、本気も本気!、毎日のよーに、こーんな有名なオッチャンがオレとお前をスカウトしにココに来てたんだ。よっぽど見込みがあるに違いねェ。それに男に二言はねーかんな!」

「……お前一人で、こんな野郎の元に行かせる訳には行かない。」

あら、まあ、この展開はひょっとしたらひょっとしちゃうのかしら。

ナルトくんの事をスカウトしたのは今日が初めてだったけど、まあいいわ。この子からイイモノを発掘できたのは事実だし……、何より私に向ける嫉妬の塊で悦ばせてくれそうだしね……。


「やったー!!、サスケも一緒にアイドルになるってばよ!」

本当ね。まさに今、超ラッキーで超ハッピーだわ…。

「じゃあ、私の車に乗って事務所まで来てちょうだい…」


どちらも気が変わらない内にと事を急ぐ大蛇丸は、思わぬ幸運に招かれたと壮大な妄想を膨らませて至福なる微笑みを滲ませつつ、紫色のアメ車の後部座席へと二人を招いた。




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