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休日の過ごし方
 

今日は土曜日。
部活のある人達とは違って、暇なうち。

うちの部活?写真部ですよ。
月1回だけ写真を提出すればいい部活ですよ。


「遊、どこ行くー?」

『どこでもいいよ。』

「んー、買い物でもする?」

『それでいいよ。てか部活はどーした、春?』

「今日は休み。」


今日は朝早くから春に呼び出された。

めんどくせー、眠いー、あー。
なんて思ってると、軽くつまづいた。


「お前よくつまづくよなー?」

『うん、まあね…。』

「なんかドジっ子だよな、キャラじゃないけど。」


凄く爽やかな笑顔で言う春に殺意が…いや、なんでもない。


『てか、欲しいものでもあんの?』

「いやー…別に?」

『じゃあ、何故買い物?てか、用事がないなら呼び出すな。』

「えー、久しぶりに遊びたいなって思ってさ!」


えー、じゃねーよ。こっちが文句言いたいから。


「買い物が嫌なら、遊園地にでも行く?」

『何が悲しくて春とデートスポットに行かなくちゃいけないわけ?』

「楽しいかもよ?」

『あー、はいはい。絶対に行かないから。』

「んじゃ、買い物な!」


春が爽やかに笑いながらうちの手を引っ張る。


『買い物は嫌。喫茶店入ろう。』

「了解。」


手が解放される。
小さくため息をつきながら喫茶店を探すと、1件の店が目に入った。

この店…ケーキが美味しいってクラスの子が言ってたとこだ。


『ここ入ろう。』

「喫茶店じゃなくてケーキ屋だけどいーの?」

『うん。』


2人で店に入ると休みの日で客が多いらしく、相席になった。


「あれ…七瀬さん?」

「んー、祐太?」

「はい!」


相席になった少年は春の知り合いみたいだ。
だーれだ。まあ関係なさそうだしいっか。


「彼女…ですか?」

「んー、はは!」

『否定しろよ。』

「違うんですか!」

『そうだよー、違う。』


曖昧な返事をする春を睨みつける。


「不二祐太っていいます。」

『赤林遊。そこの馬鹿とは幼馴染みたいなもんです。』

「そうなんですか。」


なんかすごく純粋そうな顔してるなー。


『知り合い?』

「母さんたちが仲良いんだよ。」

『微妙だね、それ。』

「まあな!」


特に興味があったわけでもないから、注文したケーキを食べる。


『うまー。』

「それくれ!」

『等価交換、分かる?春が頼んだやつをうちの食べた分寄こせ。』

「おう、了解!」


春が自分の頼んだケーキの皿をこっちに渡してくる。


『ん、ありがとう。』


そんなやりとりをしていると、不二くんがこっちを凝視してくる。


『不二くん、どしたー?』

「い、いや…七瀬さんのこと…。」

「俺?何?」

「七瀬さんのこと名前で呼んでるし…。」

『それは、春が言い出したからね。』


確か初等部を卒業したときに言われたんだよね。


「普通に女子と話してるし…。」

『え?学校では普通だけど?』

「でも女嫌いって…。」

『そーなの?』

「まあな。」


初耳ー。何それ、え?まあ…どーでもいっか。


『どーでもいいや。それより、どっちが払う?割り勘?』

「俺が払うなー。」

『ありがとー。』


七瀬さんが女の人に奢ってる…、と不二くんが目を丸くして言ってたのは気にしない方向で。

春もうちも食べ終わっていたから春が席を立った。
それについてうちも席を立つ。


『んじゃね、不二くん。』

「あ、はい!」

『ばいばい。』


手を振って不二くんと別れた。
ケーキ屋を出た後は、2人でぶらぶらと歩いた。


休日の過ごし方
→今日は例外。いつもは家でごろごろ。

 

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あきゅろす。
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