睨み合う2人
「このクラスに夕空蜜柑がいるだろ、出せ。」
蜜柑と名前で呼び合うようになった朝から時間は過ぎ、只今昼休みなのです。
そして、今の俺様発言は跡部会長。
「何ですか。」
呼ばれた蜜柑からは、いつもの笑顔が消えて、跡部会長を軽く睨みつけている。
「あーん?何様だ、お前。」
「蜜柑様ですが、何か?」
睨み合っている2人を止めようにも、割り込める勇気なんて誰にもないため、クラスの生徒達が黙ってみている。
「はい、そこまで。」
「檸檬!何で止めるの?」
「うるさいから黙って。」
止めたのは蜜柑の相方の美人さん。
ちなみに、毒舌疑惑有り。
「で、何か用ですか?」
「来い。」
抵抗する蜜柑の腕を引っ張って、教室から去っていく跡部会長。
しばらくの間、誰も喋れなかった。
「…跡部様、夕空さんのこと気に入ったのかしら?」
2人が出て行った静かな教室。
ぽつりと呟いたのはテニス部のファンクラブの会長様。
その一言に周りが騒ぎ出す。
「遊ちゃんはどう思うかしら?」
『へ?何でうち?』
「分からないの。」
『こっちが分かんないから!』
泣き出しそうな顔になるファンクラブ会長。
『あー、睨み合ってただけじゃん?』
「跡部様は気の強い人が好きなの!」
『んー…、まあ…えーっと。』
「今まで、女子とあまり会話なさらなかったし!」
言葉に詰まると、勝手に話し出すファンクラブ会長様。
途中から跡部会長の良い所に変わってるし。
『うん、君が跡部会長が好きなのは分かった。』
「そう!それなら良いわ!」
『あー、うん。』
良かったらしい。
睨み合う2人
→結構迫力あったなー。
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