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転校生は双子
 

転校生の子と一緒に校内を回る。


『夕空さん、もう1人の転校生見た?』

「見たっていうか…姉妹だからね!」

『姉妹?』

「うん、双子だから。」

『姉妹ってことは…一卵性双生児?』

「ううん、二卵性。」


つまり似てないってことかー…。


「檸檬って名前なんだよ。」

『姉妹そろってフルーティーだね。』


そんなことを言っていると、夕空さんがいきなり大きな声を出した。


「れーもーんー!」


嬉しそうに廊下の向こう側に手を振っている。


「蜜柑、うるさい。」

「あいつ誰だ?」


ボブヘアーで可愛い顔の夕空さんが見ている方向から女の子と男の子が歩いてくる。
ロングヘアーで綺麗系の女の子と長髪でテニス部の有名な宍戸くん。


「赤林さん、これがさっき言ってた檸檬。」

『あ、はじめまして。』

「はじめまして。」


綺麗なお顔は無表情。
でも、感じ悪いとは思えない。


「檸檬、これは同じクラスの赤林遊さん。」

『あれ?名前覚えてたの?』

「うん!昨日名簿を見してもらったから、全校生徒の顔と名前と学年と部活を覚えたんだ!檸檬も一緒に!」


すげー、絶対無理だ。
あと、夕空檸檬さんの出現でテンションが上がった模様の夕空蜜柑さん。テンションが高くて少しうざい。


「すげーな、俺は絶対無理だ。」

「頭悪そうだしね、宍戸。」

「酷くね?」


ちなみにこれは宍戸くんと夕空檸檬さんの会話。
あの有名な宍戸くんと普通に会話してる。
うちも去年は同じクラスだったけど、話したことないし。


「蜜柑、これ宍戸亮。」

「これって何だよ。」


ため息をつきながら、こっちを向く宍戸くん。


「よろしくな、あー…夕空蜜柑だっけ?」

「そうっす!夕空蜜柑っす!」

「いや、語尾おかしいだろ。」


呆れたように突っ込む宍戸くんに、きゃーと何故か言っているうちのクラスの夕月さん。


「んで、お前は赤林だっけ?」

『あー、はい。』

「去年同じクラスだったよな?」

『そうですよー。』

「なんで敬語なんだ?」

『気のせいじゃないですかー。』

「いや、気のせいじゃないだろ。」


わー、うち…宍戸くんと普通に会話してるー。
てか…宍戸くんってテニス以外の話できたんだ。


「夕月…檸檬の方、俺部活あるからそろそろ行く。」

「分かった。」


なるほど、隣のC組の転校生さんは宍戸くんに校内を案内してもらってたのか。


『じゃー、うちらもそろそろ終わる?一通りは終わったけど。』

「うん、そうする!」

『それならうち帰るから、ばいばい。』

「あ、うん!」


夕空姉妹に手を振って、教室まで戻って鞄を持つ。
下駄箱で靴に履き替えて、校門をくぐって帰路についた。


転校生は双子
→2人とも似てなかったけど顔は整ってたなー。

 

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