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お世話になってます
 

ニコニコと笑いながら手を振る雅くんが見える。
それを見てはあ、と大きくため息をついた。


「勝ったで!」

『よかったね。』


さっきまで雅くんと試合をしていた相手とその相方みたいな人がこっちに近づいてくる。
…あれ?あの青い髪の人って…忍足くんじゃん。同じクラスになったことはないけど有名だもんな。


「雅那さん…その子知り合いなんスか?」

「おん!」

『はじめまして、雅くんの従兄弟の赤林遊です。』

「俺が忍足謙也ゆーて、こっちが俺の従兄弟の侑士って言うんや!って…年上の人やったらすんません。」

『いや、うち中3なんで!』


見た目や雰囲気からして、うちの方が年下だろうと思って構わないという風に手を振る。
いきなり、忍足くんが口を開いた。


「同い年なんや。」

『…えっ?』

「えっ?何?」


いやいや、貴方とうちが同い年なのは知ってますけど。
あ、うちのこと知らないのか!まあ当たり前か…。


『うちも氷帝生ですよ?』

「え?」

『あは。』


そう言って笑うと、ふっといきなり笑った忍足くん。


「知らんかったわ、堪忍な。」

『いえいえ。』

「なんなん?ええ雰囲気やん。」


2人でニコニコと笑い合っていると、忍足さんが割り込んできた。


『忍足くんとは同じ学校なので…。忍足さんは何歳なんですか?』

「忍足くん、と忍足さんって…ややこしいわ、謙也でえーから。」

『あ、はい…。』

「ちなみに、侑士と同い年なら俺とも同じや!」


ニカッと効果音がつきそうな笑顔を見ながら、なかなかかっこいいなーと思う。
雰囲気もいいなー。髪の色がちょっとあれだけど。


『謙也さん、いつも雅くんがお世話になっています。』

「いえいえ、世話かけとるんは俺のほうやから!」

「まあ世話かけとんは金太郎やろーなー。」

『…雅くん、謙也さんって金ちゃんの知り合いなの?』

「おん。金太郎とこの学校の先輩やで!」


さっと顔が青ざめるのが分かる。
金ちゃんの先輩…それは……。


『いつも迷惑かけてます!本当にすいません!』

「え、いや…そこまでやないから…。」

『そ…うですか…。ならいいんですけど…。』


金ちゃん絶対迷惑かけてるよ…。絶対なんか問題起こしてるよ…。
いや、可愛いからいいんだけどね、いいけど…。やんちゃすぎっていうか…そこが金ちゃんらしいけど…。


「うっし、俺らは帰るで!遊。」

『あ、うん!それじゃあ、さよなら!』


金ちゃんをよろしくお願いします、と去り際に謙也さんに言いながら2人から離れた。


お世話になってます
→金ちゃん大人しくできなからな…。

 

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あきゅろす。
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