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スポーツ店で
 

特にすることもなく、ぶらぶらと店の中を見て回る。
さすが大型店。品揃えが凄い。


「遊、買ってきた。」

『もう買ったんだ?』

「おう!飯どーする?」


んー、と考え込みながら出口に向かって歩いていると、向こうから3人が歩いてくる。

あれって、もしかして…。


「遊!」

『あー、蜜柑?』

「何でここにいるの?こんなとこで会えるなんて、もしかして運命?運命って言っちゃう?」


蜜柑は、夏休み入って部活が忙しいらしく、電話を毎日のようにしてくる。
そして、その度に相当テンションが高い。

なんか、今日もうざいなー。
と思いながら、運命という言葉をスルーして返事をする。


『春のバッシュ買いに。』

「デー…ト?もしかして、デート?デートなの?」

『いや、違うけど。』


うざい。何でこんなにうざいんだ。
夏休み前までは、こんなにうざくなかったのに…。

なぜか、固まったまま動かない宍戸くん。
宍戸くんがいるってことは…。


『蜜柑は部活?』

「うん!大会も近いから、練習試合を組んでもらったの、立海と!」


へー、と頷く。
てかどこだよ、その立海って。


「蜜柑、テンション高いな…。」

『え?いっつも高いんじゃないの?』

「まっさかー!大好きな遊にだけだよ!遊にだけこんなに愛を注いで喋るんだよ!」

『うん、まあ…その、黙れ。』


宍戸くんが蜜柑のテンションの高さにひいているので、理由を聞いてみると蜜柑が間に入ってくる。


「おお、宍戸じゃん!久しぶり!」

「七瀬か。久しぶりだな。」


春が宍戸に声をかけている。
そういえば、去年はクラス一緒だったなー。


「クラス替え以来会ってないよなー。」

「だな!バスケ部の活躍は聞いてるぜ、確か全国行くんだよな?」

「おう!」


スポーツ少年の話には入れないなー。てか眠い。


「眠そうだね。」

『ん、そうですよ。』

「敬語じゃなくていいよ。」


いきなり話しかけてきた夕空檸檬さん。
やっぱり無表情。
じっとこっちを見てくる。


『夕空さん、何ですかー?』

「檸檬でいいから。」

『遊でいいよ。』


分かった、そう言って檸檬がふわりと笑う。

あらら、可愛らしい。宍戸くんが驚いた顔をしてこっちを見てるわ、こわーい。


「じゃーな、宍戸!うっし、遊飯食うぞ!」

『ういー。』

「ちゃんと返事しろよ!」

『おいちゃん、パスタ食いたい。』


そんなことを言いながら、特に挨拶も無しに歩き出した。


スポーツ店で
→運命って言うとか、うざいなー。

 

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