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代名詞は美少女
 

最近は何かと物騒になってきてる。
それに、不景気で就職先がなかったり、物価が上がったり。
住みにくい世の中になったなー。


まあ今はそんなことは関係ない。


うちの通ってる学校、氷帝学園に転校生が2人来るらしい。
1人はうちのクラスに。もう1人は隣のクラスに。


「はよー。」


教室にやる気のなさそうな声で挨拶をしながら入ってくる担任。それと後ろに女の子。


「このクラスに転校生が来たぞー。」


担任が黒板に名前を書いて女の子を教卓の前に立たせる。


「はじめまして、夕空蜜柑です!よろしくお願いします!」


明るい声が教室に響く。
うわー、すごい可愛い。代名詞が美少女って感じ。

男子も女子も可愛いーと言って、質問などを投げかけてる。


「転校生も来たことだし、席替えすっかー。男女混合でくじ引きすっぞー。」


質問が途切れたところで担任が言う。

さすが先生、先生大好きだー、と男子が言うと、やろーからの告白とかいらねーよ、と面倒臭そうに担任は返していた。


そして席替えも終わり、席を移動させた。





ちょっと待て。





いくら男女混合だからって…、


『先生、これ嫌がらせですよね?』

「お前のくじ運が悪いだけだろ。」


確かに今までくじでいい結果は少ししか出たことがないけど…。


窓際の1番後ろなのはいい。つまり角。
でも前と横と斜め前、つまり授業中に話せる範囲の席が…全員男子?
しかも全員それなりにモテるってどうよ?


『先生、席替えしましょーよ。』

「いや今しただろー。」

「遊ちゃんが可哀想だからしてあげてよー。」


クラスの女の子が担任に言ってくれた。


『だよね?だよね?遊ちゃんすごい可哀想だよね?』

「はいはい、分かったから。転校生の案内頼むわ。」

『は?』


自分の間抜けな声の後に、クラスの子の笑い声が響く。

自分でちゃん付けとか…、と笑いを堪えている隣の男子を睨みつける。
まあ腐れ縁の幼馴染なんだけど。


「あ、よろしくね!」


夕空さんがニコニコ笑いながらうちに言った。


代名詞は美少女
→うちの代名詞は平凡かな。

 

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