ある少女の拒絶
はじ先輩にしがみついたまま先輩の小さい肩に顔を埋めると先輩は苦笑いを浮かべた。といっても普段の表情との違いはあまりないけど。
「大丈夫?」
「はじ!」
「前髪切れてる…。」
先輩の友達の心配する声や、恐怖の声や、励まそうとしている声に先輩は大丈夫だよと言った。
長かった前髪が短くなって隠れていた顔が見える。
足音が聞こえてから、先輩という本田の声が聞こえた。
先輩の肩から顔を上げて先輩を見たとき、先輩は本田に大丈夫と言って違いが見て分かるほどふにゃりと笑った。
可愛い!可愛すぎますよ、先輩!
ふと名張さん…いや、もう呼び捨てでいいでしょ。名張を見ると無表情でこっちを見てた。
声を出さず彼女に向けてゆっくりと口を動かす。
き・え・て
先輩を危ない目に合わせた貴女と一緒に居たくないの。
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