ある少女の誤解
放課後、部活に行く前の先輩を見つけて駆け寄った。
「先輩!」
「どしたの、アリスちゃん?」
「小テストで満点取りました!」
そう先輩に言って笑えば、ニコっと笑ってくれた。
珍しい!しかもすごく可愛い!
「おめでと。」
「あ、の!名張さんにも勝ったんですよ、名張さんは1問間違えてたんで!」
そこまで言って、嫌なことを思い出した。
「でも…切原の勉強見なくちゃいけなくなって…。」
「部活に出れない?」
「…はい。今月中は無理です。」
頑張ってと言って頭を撫でてくれる先輩に笑いかける。
先輩に失礼しますと声をかえて教室に戻ると、切原がジャージに着替えて部活に行こうとしていた。
「げっ!」
「……切原?」
声をかけると切原は渋々自分の席に座って教科書を広げた。
「分かんないとこ教えて。」
「こっからここまで。」
「……。」
溜め息を吐く。全部か、切原に1つ1つ丁寧に教えていくしかなさそうだ。
でも、頑張る前に聞いておきたいことがあるんだよね。
「切原って名張さんのことどう思ってる?」
「普通。」
即答の切原に戸惑う。名張さんが好きじゃないの?
てか、みんな名張さんのことが好きなのに…。
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