ある少女の危機 彼女は夢を見ていた。 夢の中では、自分をトリップさせた人物が目の前にいた。 「何?」 「お前に言っておきたいことがある。」 「そう。」 神は表情を崩すことなく機械的に話し始めた。 「お前には逆ハー補正というものをつけている。」 「そうだと思ってた。」 「その逆ハー補正はお前がイレギュラーな存在であるが故に完全なものではない。」 「そう。」 神は全くもって理解していない彼女を色のない瞳で見つめた。 「お前の逆ハー補正はかなり危ういものだ。」 「そう。」 「逆ハー補正が1度解かれると、そいつには補正は効かなくなる。」 「……。」 「心当たりがあるのか。」 「ええ。隣の席のモブキャラよ。」 淡々と告げる彼女から神は目を逸らした。 「補正を解こうとしている奴がいる。」 「え、」 それだけ告げて神は消えた。 |