ある少女の笑い
下校時刻間際、調理室の鍵を持って職員室を訪れる。
「先生、返しに来ました。」
「ん。そこ置いといて。」
「はい。」
顧問がパソコンに向かって何かしている。
顧問の机まで行って、今日作ったお菓子を置く。
「ありがと。」
「いえ…。あ、そういえば天瀬さんから聞きましたよ、切原くんのこと。」
「あ、聞いたの?困るんだよねー、英語の成績悪すぎて。」
「へー…。」
「今は名張に任せてるんだけどね…。名張は教え方が下手なのかな?切原は全然理解してないんだよね。」
まあそうだろうな、と納得する。いくら教え方が上手くても、私が体験した"アレ"は見惚れてぼーっとしてしまうから内容が頭に入ってこないんだろう。
「それなら、名張さんよりもいい人に変えればいいじゃないですか。」
「名張よりも頭がいい奴がいないんだよねー。」
「分かりませんよ、次の小テストでいい人が出るかもしれませんよ?」
にやりとしそうな口を隠す。
「そうだねー。名張くらい点数がいい奴が出たらそいつに任せようかなー。」
「はい、そうしたらいいですよ。」
さて、アリスちゃんと名張マリアは何点を取ってくれるかな。
にやりと意地の悪い顔をして笑った。
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