ある少女の否定
図書室を出て廊下を歩き調理室についた。
ドサリと本を机に置くと、後輩が寄ってきた。
「はじ先輩、重くなっかたですか?言ってくれれば手伝いに行ったのに!」
「アリスちゃん、大丈夫だよ。ありがとう。」
「無表情で言われても嬉しくないですー。」
ぶすっとした顔をする天瀬アリス。
私に相談してきた子で、アリスちゃんが相談してくれなければ多分私は名張マリアの存在に気付かなかったと思う。
「ありがとう。」
「……!」
くすりと笑いながらお礼を言うと、アリスちゃんは驚いたような顔をして、にこりと笑ってどーいたしましてと返してくれた。
「本田が羨ましいなー。」
「紀伊くん?」
「本田にはもったいないですよ、はじ先輩は!」
「ありがとう。」
また無表情だ、とむくれるアリスちゃんは可愛い。あの名張マリアなんかよりも。
テニス部のレギュラーの名前ばっか出して、ただの男好きじゃないか。なのに名張マリアは人気者。
むかつく。名張マリアなんかよりも、アリスちゃんのがいい子だし可愛い。
そうだ!私や紀伊くんのときのように目を覚ませばいいのかもしれない。
そうすれば、彼女の人気は落ちていくのかもしれない。
名張マリア覚悟しておいてよ、君はそこに相応しくない。
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