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005
 

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6がつ8にち

きょうははれ。
はじめてにっきをかきます。
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「おお、初日記!」

「は?」


最初のページを見て言う私に、香苗が反応して後ろからノートを覗き込む。


「休憩にして、日記見てみようよ!」

「休憩って…まだ始めたばっかでしょ。」

「いいから!」


何か言いたそうな香苗を無視して、私は香苗を横に座らせて、見やすいようにノートを床に置いた。



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6がつ9にち

きょうはあめ。
せんせいのふくがすけた。
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「いやー、4歳児の日記から透けたなんて…不純。」


馬鹿にしたような笑みを浮かべる香苗を無視して、せっちゃんという単語を探してページをめくる。



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8がつ16にち

きょうははれ。
じりじりとやけるようなあつさがいけぶくろをおそいます。
せっちゃんにあいました。
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「なんか…文が達者になった。急速に成長を見せたな、恐るべし4歳児。」

「うふふ、そりゃあ私ですから!」

「黙れ。」


冷めた目で見てくる香苗の視線に泣きそうになりながら、せっちゃんが実在したということが嬉しかった。



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8がつ17にち

きょうはくもり。
よどんだくもとまちのしろがぜつみょうなはーもにーをうみだしている。
さいきんのからーぎゃんぐはしろがおおいようだ。
あしたはせっちゃんのひみつをあばく。
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「なんか4歳の子の日記じゃないよね。全部ひらがなだけど。」

「まったく…賢いよね。」

「いや、可愛げがない。」


えー、と反論しながらも秘密という単語が気になるため次の日記に目を移した。

 

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