004
「それにしても…この2日何してたの?」
私の部屋を見渡し、香苗が呆れたように言った。
「PCしてたんだー。」
「片付けを優先しろ。」
「無理ー。」
引越しから2日経った昼下がり、私の部屋に来た香苗は2日前とあまり変わらない部屋の状況にため息をついた。
「片付けるよ。」
「はーい!」
香苗に声をかけられ、素直に返事をして片付けを始める。
近くにあったダンボールを開けるとノートがたくさん入っていた。
こんなのあったっけ?
不思議に思って1番上のノートを開くと下手な字で文章が書いてある。多分日記だろう。
「香苗ー、日記見つけた!」
「は?」
「多分小さい時のー。」
ノートを軽く見ていくと、裏表紙に8歳と書いたラベルが貼ってある。
「8歳のときのだ。」
「へー。」
他のノートを手に取り見ていくと、かなり小さいときのものもある。
「4歳から日記書いてたんだ。」
「あんた国語の点数だけはいいもんねー。」
「国語だけって!てか、関係ないもん!」
「いや、文章力があるってこと。まあそれ以外は駄目だよね。あんた馬鹿だし。」
「…絶対いつか刺してやる。」
「ははは、冗談だって!」
ふざけた会話をした後、香苗は他のダンボールを片付け始めた。
はあ、片付けるか。
ため息をついてダンボールに手をかけたとき、ふと捜してる人のことを思い出した。
せっちゃんのこと書いてあるかな?
4歳と5歳の日記はある。つまり池袋に居た時期とその2年は重なる。
そんなことを思い、ダンボールから手を離してノートを手に取った。
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