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熱気と汗
 

決勝戦。みんなで話した通り立海は残った。
そして関東大会の決勝で負けた相手、青学との試合だった。



最初の試合。膝や腕を痛めてまでテニスにかける情熱が凄い。
でも顧問の先生はなんで止めないの。おかしい。
立海の顧問を睨んで、青学の顧問の様子を見ると目に涙を浮かべいる。
何も言えなくなって、また試合に目を移した。


それでもただその試合が終わった後に見たものは、勝ちへの執着とチームへの想いと王者のプライド。


丸井もあんな風に無理をするかもしれない、と思うと胸が痛んだ。



2試合目。また怪我人。
バンダナの人が切原にボールを当ててから、試合が見れなくなった。


怖い、そう思ってから泣きそうになってるのに気付く。
下を向いて、両手を耳に当てて終わることを願った。



3試合目。
下を向いていることに気付いた友達が試合開始を教えてくれた。
コートを見ると仁王が立っていた。


仁王のテニスは楽しかった。仁王じゃないみたいで、でもコートに立っているのは仁王だった。
イリュージョンらしい。

でも仁王に待っていたのは負け。



4試合目。
待ちに待っていた丸井の試合。
いつも笑っている顔を見ているから真剣な表情にドキリとした。


初めて見る丸いの試合は仁王以上に楽しかった。
球がネットの上を転がったり、鉄の棒に当たったり。

これは勝てる。
そう思ったとき、ツンツン頭の男子が叫んだ。

最初の方は聞き取れなかった。
でも、最後の言葉だけは鮮明に聞こえた。



「……時間稼ぎ…ありがとうございましたぁ!」



じか…ん、稼ぎ?
それからは圧倒的だった。



最終試合。
そんなもの覚えてない。
ただ、丸井の驚いたような泣きそうな、悔しそうな…あの表情がチラついていた。


そして全国大会は終わった。


熱気と汗
→思い出すのは君の表情。

 

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あきゅろす。
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