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君からの電話
 

夏休みに入った。
私は友達と遊んだり、宿題と格闘したりしている。
丸井はといえば…テニスに没頭していることだろう。


そういえば…、クラス全員に配布されている連絡網を見たのか、丸井はあの夜からよく電話をかけてくるようになった。
夏休みに入ってからは電話が多くなった。試合があった日はテンションが高すぎて何を言ってるのか分からない電話がかかってくる。





そんな電話がパタリと止まった。





かかってこない丸井の電話を気にしていると、仲の良い子数人から遊びのお誘いがあった。
そのうちの1人の家に集まって騒いでいると、1人がぽつりと言った。


「男テニ…関東の決勝で負けたらしいよ…。」


その場の空気が一瞬止まる。
そして、周りの子たちが騒ぎ出した。


「うそー!有り得ない!」

「でも行けるんだよね?全国?」

「行けるらしいよー。」

「でも幸村くんさー…。」


幸村という単語が出ただけでまた空気が止まった、いや凍った。


「よっし!全国の決勝戦は絶対見に行こう!」

「そこまでいけるかな…?」

「いけるに決まってるよ!」

「だね!」


みんなが明るく話している中、私は笑えなかった。
負けた?知らない…。教えてもらってない。勝てる?決勝まで残れる?


決勝で勝ったら、また電話してくれるのかな。


君からの電話
→待ってる。

 

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